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= トベラ ''Pittosporum'' ''tobira'' (Thunb.) Ait.=
 
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トベラ科 Pittosporaceae
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== 解説==
 
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* よく街路樹などに利用され,東広島市などでも植えられているが,本来は海岸に自生する植物.
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* 海岸に生育する中低木で,瀬戸内海では広く見られるが,山間部では見られない.
よく街路樹などに利用され,東広島市などでも植えられているが,本来は海岸に自生する植物.海岸に生育する中低木で,瀬戸内海では広く見られるが,山間部では見られない.本州の関東以南から,朝鮮半島・中国に分布.
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* 葉は先が円く,基部がくさび形で,やや硬質.枝の先に密生し,揉むと独特な臭いがするが,あまり良い臭いと感じない人が多い.
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* 雌雄異株.
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* 花はやや黄色みがかった白で,芳香がある.
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* 晩秋から冬に果実が成熟し,3つに割れて,中から赤い粘り気のある,長さ約5 mmほどの小さな種子が現れる.
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* [[ヒイラギ]]が少ない地方では,節分にトベラを用いる.
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* 愛媛県の一部ではトベラを使う風習がある.
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* トベラの名も,節分にトベラの枝とイワシの頭を扉につけた風習に由来するといわれる.また,トベラとは長崎地方の方言とも,トビラノキが訛ったものという説もある.
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=== 花期 ===
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* 花期は春,広島では5月ころ.
  
葉は先が円く,基部がくさび形で,やや硬質.枝の先に密生し,揉むと独特な臭いがするが,あまり良い臭いと感じない人が多い.雌雄異株で,花期は春で,広島では5月ころ.花はやや黄色みがかった白で,芳香がある.晩秋から冬に果実が成熟し,3つに割れて,中から赤い粘り気のある,長さ約5 mmほどの小さな種子が現れる.
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== 分布・産地・天然記念物 ==
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=== 分布 ===
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* 本州の関東以南から,朝鮮半島・中国に分布.
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* 広島県内では,広島市南区元宇品,呉市上蒲刈などで多く見られる.
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* 宮島にはきわめて少なく,シカが寄り付けないような海岸の断崖にわずかに生育している.
  
[[ヒイラギ]]が少ない地方では,節分にトベラを用いる.愛媛県の一部ではトベラを使う風習がある.トベラの名も,節分にトベラの枝とイワシの頭を扉につけた風習に由来する.
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* 倉橋島(yy-10435),広島市比治山(in-62),金輪島(hh-5083),安浦町安登(mt-10760),川尻町小用(mt-11927),豊島(hh-7530),内海町田島(hh-7574),呉市広長浜(hh-7617),大崎下島(yy-12110),川尻町女猫島(yy-13006),宮島(ts-1816),福山市高島(sf-3852),生口島(sf-4646),三原市赤石(yk-4784),沼隈町臼木山(sf-5723),因島(yk-5996),倉橋島(sy-567),阿多田島(mt-17172),上蒲刈島(mh-11270),下蒲刈島(mt-15742),尾道市加島(sf-1089)
  
== 慣用名==
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== 慣用名・英名・広島県方言 ==
別名トビラノキ,トビラキとも言う.トベラとは長崎地方の方言とも,トビラノキが訛ったものとも言われる.
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=== 慣用名 ===
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* トビラノキ
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* トビラキ
  
== 分布==
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=== 英名 ===
広島県内では,広島市南区元宇品,呉市上蒲刈などで多く見られる.
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=== 広島県方言 ===
  
 
== 備考==
 
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== 文献(出典)==
 
== 文献(出典)==
* 広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(編). 1997. 広島県植物誌. Pp. 832. 中国新聞社, 広島.
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* 呉市教育委員会(1975),関ほか(1975),土井(1983),広島市教育委員会(1988),[[広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997)|広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997)]]
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2011年3月9日 (水) 12:17時点における版

広島大学 > デジタル自然史博物館 > 植物 > 郷土の植物 > 維管束植物 > トベラ | 広島県の植物図鑑 / 和名順

トベラ Pittosporum tobira (Thunb.) Ait.

シノニム

その他

分類

種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > トベラ科 Pittosporaceae > トベラ属 Pittosporum

解説

  • よく街路樹などに利用され,東広島市などでも植えられているが,本来は海岸に自生する植物.
  • 海岸に生育する中低木で,瀬戸内海では広く見られるが,山間部では見られない.
  • 葉は先が円く,基部がくさび形で,やや硬質.枝の先に密生し,揉むと独特な臭いがするが,あまり良い臭いと感じない人が多い.
  • 雌雄異株.
  • 花はやや黄色みがかった白で,芳香がある.
  • 晩秋から冬に果実が成熟し,3つに割れて,中から赤い粘り気のある,長さ約5 mmほどの小さな種子が現れる.
  • ヒイラギが少ない地方では,節分にトベラを用いる.
  • 愛媛県の一部ではトベラを使う風習がある.
  • トベラの名も,節分にトベラの枝とイワシの頭を扉につけた風習に由来するといわれる.また,トベラとは長崎地方の方言とも,トビラノキが訛ったものという説もある.

花期

  • 花期は春,広島では5月ころ.

分布・産地・天然記念物

分布

  • 本州の関東以南から,朝鮮半島・中国に分布.
  • 広島県内では,広島市南区元宇品,呉市上蒲刈などで多く見られる.
  • 宮島にはきわめて少なく,シカが寄り付けないような海岸の断崖にわずかに生育している.

産地

天然記念物

標本

  • 倉橋島(yy-10435),広島市比治山(in-62),金輪島(hh-5083),安浦町安登(mt-10760),川尻町小用(mt-11927),豊島(hh-7530),内海町田島(hh-7574),呉市広長浜(hh-7617),大崎下島(yy-12110),川尻町女猫島(yy-13006),宮島(ts-1816),福山市高島(sf-3852),生口島(sf-4646),三原市赤石(yk-4784),沼隈町臼木山(sf-5723),因島(yk-5996),倉橋島(sy-567),阿多田島(mt-17172),上蒲刈島(mh-11270),下蒲刈島(mt-15742),尾道市加島(sf-1089)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

  • トビラノキ
  • トビラキ

英名

広島県方言

備考

  • 環境庁コード: 24990

文献(出典)


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