シリブカガシ 宮島の植物と自然

広島大学 > デジタル自然史博物館 > 宮島の植物と自然 > 目次 > どんぐりのなる樹-ブナ科- > シリブカガシ

シリブカガシ Lithocarpus glaber (Thunb.) Nakai

分類

ブナ科 Fagaceae,マテバシイ属 Lithocarpus

解説

 高さ15 m程度になる常緑高木.幹はまっすぐで,材が堅く,樹皮は灰黒色,割れ目はなく,皮目(ひもく)がある.大径木では盤根(ばんこん)的な出っ張りがわずかに見られることがある.若枝は短毛を密生するが,後に無毛になる.葉は互生し,革質(かくしつ)で厚くて硬く,ほとんど全縁.葉脈の部分が裏側に向かって凹む.葉の表面は光沢があり,はじめ短毛があるが後に無毛.裏面は脈間に微細毛が密生し,光沢のある銀白色.花期は8月中旬-10月上旬.雌雄同株.雌花序(しかじょ)の上にはしばしば雄花序(ゆうかじょ)がつく.果実は束になって付き,長さは2 cm程度で,翌年の秋に成熟する.近畿地方以西の本州,四国,九州,琉球,台湾,中国に分布する.乾燥した場所でも生育するが,宮島では低地の堆積(たいせき)地形でもよく見られる.和名は,どんぐりの尻(しり)の部分(基部の付着点)が凹むことから.どんぐりはマテバシイと同様に可食.

「宮島の植物と自然」内のページ

「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.

  • 88-89 pp.

関連

文献(引用)