サツキマス
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サツキマス(アマゴ) Oncorhynchus masou ishikawae
分類
動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 顎口上綱 Gnathostomata > 硬骨魚綱 Osteichthyes > 条鰭亜綱 Actinopterygii > サケ目 Salmoniformes > サケ亜目 Salmonoidei > サケ科 Salmonidae > サケ属 Oncorhynchus > サツキマス(アマゴ) Oncorhynchus masou ishikawae
解説
比婆科学教育振興会(1994)より抜粋.
アマゴ(陸封型)
- 体長15-25 cmのものが多く,体側中央に8-11個の楕円形型のパーマーク(parr mark)をもち,体側に朱点が散在しているのが特徴.
- 東海地方の太平洋側から近畿,中国,四国の瀬戸内海側,九州の一部に分布する.
- 広島県では,小瀬川,太田川水系,帝釈川水系の上流域に生息する.
- 餌は主に水生昆虫.
- 産卵期は10月下旬から11月上旬.
- 最上流域の瀬尻の砂礫底にメスが産卵床を2-3日かけて作る.産卵後,オスが放精して受精が完了する.
- 受精卵は約40日でふ化する.
- 翌年3-4月に泳ぎ始め,約3 cmに達する.
- 7月頃には8 cmに達し,成長の早いものは銀毛化し降海する準備をする個体もいるが,ほとんどは河川で一生を終わる.
- 2年目より産卵に関与するが,シロザケ(サケ)のように1回産卵して死ぬことはなく,2-3回は産卵するようである.
サツキマス(降海型)
- 体長約35-40 cm,体重約500-800 g.
- 全体が銀白色で体側には朱点が散在する.
- 長良川,淀川,旭川,錦川などで遡上が確認されている.
- マス(太田川・小瀬川水系)と呼ばれているが,帝釈川(高梁川水系)では,シケ(志計)と呼んでいる.
- 帝釈ダムや新成羽川ダムができてからは,遡上はないという.
- アマゴが降海し,大きく成長してマス化したもので,下流域から産卵のために遡上する時に捕獲されることが多い.
- 湖を海と見立てて湖に入り,産卵期になると湖から遡上するものを「降湖型」という.
天然記念物・RDB
- 広島県RDBカテゴリ(2003):絶滅危惧I類(CR+EN)
- 広島県RDBカテゴリ(2011):要注意種(AN)
- 広島県RDBカテゴリ(2021):準絶滅危惧(NT)
- 環境省RDBカテゴリ:準絶滅危惧(NT)
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
英名
広島県方言
アマゴ
- やまめ・ひらめ(太田川・八幡川)
- ひらべ(芸北・備北・帝釈)
サツキマス
- ます・かわます(太田川)
- しけ(帝釈)
ギャラリー
天然アマゴと養殖されたアマゴの違い
- 養殖されたアマゴは,赤い斑点の位置が目の辺りや血合い線より下にも出ているのが特徴.赤い斑点のサイズも大きく不揃い.
- また,赤い斑点が潰れているものも養殖され放流された個体.
天然アマゴ
養殖アマゴ
備考
参考文献
- 比婆科学教育振興会(編). 1994. 広島県の淡水魚, 増補改訂版. 239 pp. 中国新聞社, 広島.
- 中坊徹次(編). 2013. 日本産魚類検索 全種の同定, 3版. xlix + xxxii + xvi + 2428 pp. 東海大学出版会, 秦野.
- 田口 哲. 2014. フィールドガイド 淡水魚識別図鑑 日本で見られる淡水魚の見分け方. 256 pp. 誠文堂新光社, 東京.
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