コケセンボンギク
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コケセンボンギク Lagenophora lanata A.Cunn.
シノニム
その他
分類
種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > キク科 Asteraceae(Compositae) > コケセンボンギク属 Lagenophora
解説
- 南方系の小型の多年草で,花がないとヒメガンクビソウに似ている.
- 本種には海岸砂浜と山地林内の二つの生育環境があるようである.
花期
分布・産地・天然記念物
分布
- 中国(南部・台湾),東南アジア,オーストラリアに分布する.
- 環境庁(1997)の「植物版レッドリスト」では,絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に位置づけられている.
- 同リストでは,現存する府県として,長崎,鹿児島,沖縄が挙げられ,文献の記録があるものとして,岡山,広島,熊本が挙げられている.しかし,沖縄県(1996)のレッドデータブックでは,沖縄県では現状は不明となっている.
- 牧野富太郎が牧野日本植物図鑑(1940)で「本種最北ノ産地ハ安藝ノ厳島ナリ」と書いて,宮島の本種は有名になったが,1971年以降,宮島では生育が確認されていない.
- 土井(1983)は広島市宇品を記録しているが,標本も見当たらず,その後,同地で見たという報告はない.
- 宮島では,海岸のクロマツ林下の砂浜に生育していたが,1970年代の松枯れに伴う枯損木の集材作業などで砂浜がかく乱され消滅した.
- 乾・本田(1930)は「林内処々に生じ」と記述しており,鈴木兵二は1950年に歩道脇の粘土質赤土に生育しているものを多数見たという.
産地
天然記念物
標本
- 宮島(ts-646)
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
英名
広島県方言
備考
- 広島県RDBカテゴリ: 絶滅危惧I類(CR+EN)
- 環境庁RDBカテゴリ: 絶滅危惧IA類(CR)
- 環境庁コード: 58500
- 環境庁RDB,県RDB
文献(出典)
- Makino(1906),乾・本田(1930),Kitamura(1937),堀川(1942b),関ほか(1975),土井(1983),広島県(1995),広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997)
引用文献
- Makino, T. 1906. Observations on the flora of Japan (Continued from vol. XIX, p. 156). Bot. Mag. Tokyo 20: 1-12.
- 土井美夫. 1983. 広島県植物目録. 148 pp. 博新館, 広島.
- 乾 環・本田正次.1930. 厳島瀰山原始林調査報告.文部省編,天然記念物調査報告植物之部第10輯.pp. 25-28. 文部省,東京.
- 牧野富太郎.1940. 牧野日本植物図鑑.1070 pp. 北隆館,東京.
- 沖縄県環境保健部自然保護課編.1996. 沖縄県の絶滅のおそれがある野生生物-レッドデータおきなわ-.479 pp. 沖縄県環境保健部自然保護課,沖縄.
参考URL
- 植物版レッドリスト(1997) http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=982
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