アイグロマツ

提供: 広島大学デジタル博物館
2010年4月7日 (水) 23:18時点におけるChubo (トーク | 投稿記録)による版 (→‎解説)
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アイグロマツ(アカクロマツ) Pinus x densi-thunbergii Uyeki

マツ科 Pinaceae


解説

常緑針葉高木.アカマツクロマツの雑種で種々の中間段階が見られる.Kondo et al.(1989)によれば,広島県および山口県の沿岸部では松林の51.4%がアカマツ,28.9%がクロマツ,19.7%が雑種で構成され,マツノザイセンチュウによる枯死率はクロマツが35%,アカマツが20%,雑種が18%である.したがって,広島県の沿岸部ではアイグロマツが増える傾向にある.

アカマツクロマツが近接して生育する場所で見られる自然雑種.アカマツクロマツの中間的な形態になり,さまざまな段階のものが見られる.クロマツに近いものをアイグロマツアカマツに近いものをアイアカマツ,ちょうど中間的なものをアイノコマツなどとよぶ場合もある.雑種になると,松枯れ病に強くなる傾向が見られ,瀬戸内海の沿岸部ではよく見られる.

分布・産地・天然記念物

標本

  • 府中町水分峡(mt-6309),黒瀬町大多田(mt-8724),川尻町野呂山(hh-6079),倉橋町室尾(hh-7054),安浦町塩谷(mt-11917),廿日市市可愛川(mt-13333).

慣用名

  • アイノコマツ

広島県方言

備考

  • 環境庁コード: 8990
  • 雑種

文献(出典)

  • 広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(編). 1997. 広島県植物誌. Pp. 832. 中国新聞社, 広島.
  • Toyohara 1979
  • 土井 1983
  • Kondo et al. 1989.