宮島実験所に保管されている主要な維管束植物の標本は、1)宮島の植物、関ほか(1975)に引用されたもの:その他。2)戦前の広島文理科大学の標本、あまり多くない、広島県内が主である。3)広島県フロラ資料 竹田孝雄(シダ・ササ)・松村雅文(シダ)・桑田健吾(灰塚ダム)・藤井茂美(福山市)・河毛周夫(広島県東部)・水谷善弥(戦前の広島県)。藤井茂美先生の標本について説明をしておきたい。藤井先生は石灰岩地や塩生植物の植生を研究され、広島大学学校教育学部福山分校主事を務められた。『広島県植物誌』(1997)の編さんに当たり、広島県東部の資料が少ないため、協力をお願いしたところ、多数の資料を提供されたが、資料のみで標本の提供はなかった。先生の没後、標本は宮島実験所に寄贈されたが、おそらく5千点を越えると思われる。ほとんど全部、台紙に貼られ、ラベルがつけられて、同定もされ、標本番号もついている。標本もきれいで、虫害も少ない。標本の大部分は亀田芳子氏との共同採集で、コナラなど普通種も多く、貴重である。『広島県植物誌』との照合を上村恭子さんの協力を得て始めたが、同定の誤りが散見された。とくにアラカシがウラジロガシであったり、ノイバラがテリハノイバラであったり普通種に誤りが多かった。これは亀田さんの同定のためではないかと思われる。植物誌との照合作業は手間がかかり、現在は中断している。照合作業の人数を増やして、ぜひ、続行したい。今回の発表では、藤井コレクションについては触れない。<br> | 宮島実験所に保管されている主要な維管束植物の標本は、1)宮島の植物、関ほか(1975)に引用されたもの:その他。2)戦前の広島文理科大学の標本、あまり多くない、広島県内が主である。3)広島県フロラ資料 竹田孝雄(シダ・ササ)・松村雅文(シダ)・桑田健吾(灰塚ダム)・藤井茂美(福山市)・河毛周夫(広島県東部)・水谷善弥(戦前の広島県)。藤井茂美先生の標本について説明をしておきたい。藤井先生は石灰岩地や塩生植物の植生を研究され、広島大学学校教育学部福山分校主事を務められた。『広島県植物誌』(1997)の編さんに当たり、広島県東部の資料が少ないため、協力をお願いしたところ、多数の資料を提供されたが、資料のみで標本の提供はなかった。先生の没後、標本は宮島実験所に寄贈されたが、おそらく5千点を越えると思われる。ほとんど全部、台紙に貼られ、ラベルがつけられて、同定もされ、標本番号もついている。標本もきれいで、虫害も少ない。標本の大部分は亀田芳子氏との共同採集で、コナラなど普通種も多く、貴重である。『広島県植物誌』との照合を上村恭子さんの協力を得て始めたが、同定の誤りが散見された。とくにアラカシがウラジロガシであったり、ノイバラがテリハノイバラであったり普通種に誤りが多かった。これは亀田さんの同定のためではないかと思われる。植物誌との照合作業は手間がかかり、現在は中断している。照合作業の人数を増やして、ぜひ、続行したい。今回の発表では、藤井コレクションについては触れない。<br> |