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広島大学大学院理学研究科生物科学専攻収蔵蘚苔類基準標本について Type Specimens of Bryophytes in the Herbarium of Hiroshima University (HIRO)

広島大学大学院理学研究科生物科学専攻に収蔵されている植物標本を代表するコレクションとして,蘚苔類コレクションがある.これは広島大学旧理学部植物学教室分類学講座の教授であった堀川芳雄博士が戦前より収集したものをベースとしてその後の歴代の教授ならびに同講座で研究を行なった研究者によって収集されたものが核となって今日,全国大学中第1位にランクされる収蔵数となっている(大学所蔵自然史関係標本調査会, 1981).このコレクションに含まれる基準標本(タイプ標本)の調査を実施(現在なお整理中)した結果,現時点において800種を超える基準標本が含まれていることが判明した.広島大学に収蔵されている蘚苔植物の基準標本に関して,Hattori and Noguchi (1960)が,195種1変種1品種の苔類,51種1亜種6変種の蘚類が収蔵されていると記録しているが,その中には現在,収蔵が再確認されないものが含まれていて,資料としてはもはや現状を反映したものとなっていない.

標本庫の質,真価というのは,保有する標本の数というよりも,むしろ学術的価値の高い標本がどれだけあるかということが重要な点である.研究に使用された証拠標本(voucher specimens)の学術的価値は大きいが,とりわけ学名のよりどころとなっている基準標本の収蔵数がもっとも標本庫の質と重要性を判断する基準となるといっても過言ではない.こうしたことでも広島大学大学院理学研究科生物科学専攻の蘚苔植物を核とする植物標本庫は,国内の他大学には例を見ない重要な標本庫として位置づけられている.

調査・整理のなかばではあるが,蘚苔植物の分類学的研究の一助になることを願って,広島大学大学院理学研究科生物科学専攻に収蔵されている基準標本の目録を公表する.ここでは1960年の目録の中にあって,再確認されていないものを除外し,また,1960年以降,広島大学が購入,寄贈,交換によって収集したものを加えた.標本あるいは文献調査は今後も継続されるが,それに伴って本目録に多数の訂正すべき事項が見つかるものと予想されるが,逐次訂正,追加を行なって行きたい.

広島大学が保有するこれらの資産の情報を公開することは,大学はもとより国内外の研究者にとってたいへん意義深いことである.

タイプ標本

引用文献

  • Hattori, S. & A. Noguchi, A. 1960. Index Speciminum Typicorum in Herbariis Japonensibus. Pars Bryophyta. 169 p., Maruzen, Tokyo.
  • 大学所蔵自然史関係標本調査会(編) 1981. 自然史関係大学所蔵標本総覧.451頁,日本学術振興会,東京.

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