ミシシッピアカミミガメ

提供: 広島大学デジタル博物館
Trachemys scripta elegansから転送)
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ミシシッピアカミミガメ(成体)の側頭部.和名の由来となった赤い模様が顕著.(広島県三原市沼田東町; 撮影: 池田誠慈, Jun. 19, 2015)
黒化したミシシッピアカミミガメのオス(左).オスは前肢の爪が長くなる(黒矢印).(広島県三原市沼田東町; 撮影: 池田誠慈, Sep. 5, 2015)
ミシシッピアカミミガメ(オス).捕まると口を大きく開けて威嚇する.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 岩﨑元道, Oct. 8, 2019)

ミシシッピアカミミガメ Trachemys scripta elegans

分類

動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 爬虫綱 Reptilia > カメ目 Testudines > ヌマガメ科 Emydidae > アカミミガメ属 Trachemys > アカミミガメ Trachemys scripta > ミシシッピアカミミガメ Trachemys scripta elegans

解説

  • 北アメリカから南アメリカ原産の外来種.
  • 本州・四国・九州・沖縄島・小笠原父島に定着.
  • 広島県では,市街地の公園の池や堀,河川に生息している.耐塩性があり,塩分の混ざる河口域でも見られることがある.
  • 甲は緩やかなドーム状で,背甲には弱い1本の隆条があり,後縁には弱い鋸歯がある.
  • 幼体は,頭部や四肢などの軟部と背甲がほぼ同じ黄緑色で,その地色に複雑な黄色の模様が入り,側頭部には鮮やかな赤色の斑紋が入る.そのため「ミドリガメ」と呼ばれペットショップで流通している.
  • 腹甲は淡黄色の地に暗緑色の複雑な斑紋が入る.
  • 幼体の頃の鮮やかな体色は成長につれて徐々に退色・黒化し,斑紋も不明瞭になる.
  • 成熟したオスは前肢の爪が長く伸びる.
  • オスの尾はメスに比べて太く長く,総排出腔はより尾の先端側に位置するが,尾による雌雄の区別はクサガメニホンイシガメよりも難しい.
  • 幼体は主に水生昆虫などの小動物を食べ,成長すると水草などの植物も食べるようになるという.
  • かつて要注意外来生物に指定されており,生態系被害防止外来種リストの作成により,総合対策外来種(カテゴリ:緊急対策外来種)に指定された.
  • 2023年6月1日より,「条件付特定外来生物」に指定された.これまで飼育してきた個体をそのまま飼育するのは問題ないが,野外に放つことが禁じられる.長寿ではあるが,命あるものなので最後まで責任をもって飼育してもらいたい.

天然記念物・RDB

  • 生態系被害防止外来種リスト:総合対策外来種(カテゴリ:緊急対策外来種)
  • 条件付特定外来生物
  • 旧・要注意外来生物
  • 日本の侵略的外来種ワースト100

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

  • みどりがめ

英名

  • red-eared slider

広島県方言

ギャラリー

関連ページ

参考文献

  • 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島. ISBN 978-4885172298.
  • 千石正一(編). 原色両生・爬虫類. 206 pp. 家の光協会, 東京.
  • 安川雄一郎. 1996. ミシシッピアカミミガメ. 日本動物大百科 5, pp. 61, 63. 平凡社, 東京.

インターネットリソース


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