トノサマガエル

提供: 広島大学デジタル博物館
Pelophylax nigromaculatusから転送)
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トノサマガエル(オス).オスには婚姻色が現れるため雌雄で体色が異なる.オスの基色は金色ないし緑色.(三原市沼田東町; 撮影: 池田誠慈, Apr. 4, 2015)
トノサマガエル(オス)の腹面.腹面には模様がない.オスは前肢第1指に灰褐色の婚姻瘤(こんいんりゅう)をもつ(白矢印).(三原市沼田東町; 撮影: 池田誠慈, Apr. 4, 2015)
鳴くトノサマガエルの成体(オス).生態実験園では2年前から繁殖が確認されている.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 28, 2020)

トノサマガエル Pelophylax nigromaculatus

分類

動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 両生綱 Amphibia > 無尾目 Anura > アカガエル科 Ranidae > トノサマガエル属 Pelophylax > トノサマガエル Pelophylax nigromaculatus

解説

  • 本州(関東平野,仙台平野を除く)・四国・九州に分布.国外では,朝鮮半島・中国・ロシア沿海州の一部に分布.
  • 広島県では,沿岸部から山間部に分布.
  • 成熟したオスは金色や黄緑色になり,雌雄で体色が異なる.
  • 背面に背中線があり,腹面には模様がない点でナゴヤダルマガエルと区別できる.
  • 繁殖期は4月下旬~5月中旬の,田植えの準備がちょうど終わった頃.
  • 幼生(オタマジャクシ)の尾びれには斑紋がない.成長すると背面に背中線が出て,内臓は透けて見えない.
  • 水田が乾田化され,夏期に行われる「中干し」により生存率が下がり,個体数は減少傾向にある.
  • 水田のような止水域は繁殖場所に使われるが,取水口付近に作られる「ひよせ(陽寄せ)」や排水口(尻水)付近に作られる用水路などは成体や幼体のよい待避所となり,そのようなものが水田に隣接して残っているところでは個体数が多い傾向にあると思われる.

天然記念物・RDB

  • 環境省RDBカテゴリ:準絶滅危惧(NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2003):準絶滅危惧(NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2011):準絶滅危惧(NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2021):準絶滅危惧(NT)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

英名

  • black-spotted pond frog

広島県方言

  • かえる
  • どんびき
  • とのさま

ギャラリー

備考

関連ページ

参考文献

  • 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島.
  • 前田憲男・松井正文. 1999. 改訂版 日本カエル図鑑. 233 pp. 文一総合出版, 東京.
  • 松井正文・関 慎太郎. 2008. カエル・サンショウウオ・イモリのオタマジャクシハンドブック. 79 pp. 文一総合出版, 東京.
  • 国領康弘. 1979. トノサマガエル. 千石正一(編), 原色両生・爬虫類, pp. 146-147. 家の光協会, 東京.

更新履歴

  • 2015.07.12 ページ作成.
  • 2015.12.11 参考文献追加.

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