ニホンスッポン
提供: 広島大学デジタル博物館
(Pelodiscus sinensisから転送)
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ニホンスッポン Pelodiscus japonicus
分類
動物界 Animalia > 脊索動物門 Chordata > 脊椎動物亜門 Vertebrata > 爬虫綱 Reptilia > カメ目 Testudines > スッポン科 Trionychidae > スッポン属 Pelodiscus > ニホンスッポン Pelodiscus japonicus
解説
- 本州・四国・九州・壱岐島・徳之島・沖縄島・久米島・伊平屋島・石垣島・西表島・与那国島に分布(一部は養殖個体の定着.琉球の個体群の一部は九州や台湾から持ち込まれた養殖個体に由来).国外ではモンゴル・朝鮮半島・中国大陸・台湾・海南島・インドシナ北部に分布.
- 広島県では,内陸部の河川や砂泥質の池沼に生息する.
- 背甲は平たく軟質の皮膚に覆われ,角質の鱗板(りんばん)をもたない(ニホンイシガメやクサガメ,ミシシッピアカミミガメのような固い甲羅ではない).
- 吻端の鼻は長くつき出る.首が極めて長く,よく咬みつく.水中生活に適応し,水かきが発達している.
- 皮膚や咽頭の内面に毛細血管が集中しており,そこで水中の溶存酸素を取り込むことができ,水中で長時間活動できる.
- オスの尾はメスに比べて,長く太い.
- 護岸のコンクリート化により日当たりの良い砂地の産卵場所が減少し,用水路のコンクリート化で繁殖地や採餌場への移動の制限が生じている.
- 食用にされることもあり,養殖されている場所もある.
- 県内の野生個体は減少していると推定されるが情報が不足している.
天然記念物・RDB
- 環境省RDB:情報不足 (DD)
- 広島県RDBカテゴリ(2003):情報不足(DD)
- 広島県RDBカテゴリ(2011):要注意種 (AN)
- 広島県RDBカテゴリ(2021):準絶滅危惧(NT)
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
- スッポン
英名
- Japanese softshell turtle
広島県方言
- すっぽん
ギャラリー
備考
参考文献
- 比婆科学教育振興会(編). 1996. 広島県の両生・爬虫類. 168 pp. 中国新聞社, 広島. ISBN 978-4885172298.
- 疋田 努. 2002. 爬虫類の進化. 234 pp. 東京大学出版, 東京.
- Gong et al. 2022. Disentangling the Pelodiscus axenaria complex, with the description of a new Chinese species and neotype designation for P. axenaria (Zhou, Zhang & Fang, 1991). Zootaxa. 5125(2): 131–143.
- 内藤順一. 2012. スッポン. 広島県の絶滅のおそれのある野生生物, 3版. 92 p. 広島県, 広島.
- 岡本卓・竹内寛彦・鈴木大. 2019. 2013年以降の日本産爬虫類の分類の変更および関連する話題について. 爬虫両棲類学会報. 2019(2): 202–217.
- 千石正一(編). 原色両生・爬虫類. 206 pp. 家の光協会, 東京.
- Suzuki, D. and Hikida, T. 2014. Taxonomic status of the soft-shell turtle populations in Japan: a molecular approach. Current Herpetology. 33(2): 171–179.
- 安川雄一郎. 1996. スッポン. 日本動物大百科 5: 61 p. 平凡社, 東京.
更新履歴
- 2022.05.06 写真の一部をギャラリー化,広島県RDB情報追加.
- 2024.03.01 学名変更.
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