Andreaea rupestris var fauriei
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Andreaea rupestris var. fauriei クロゴケ
分類
ノート
- この変種は中国と朝鮮に分布するが,基本種は全世界の高山帯の岩上,とくに花崗岩上に多い.そのためGranite mossの名をもつ.日本では北海道〜九州の亜高山〜高山帯に生育するが,まれに低山帯に見られることがある.
- 広島県の三段峡に見られる例と宮島に生育する例はたいへん特異のものである.
- コケの主要系統群であるクロゴケ亜綱を代表するものである.
- さくが縦に4列して裂開するのは他のセン類の仲間では見られない特徴である.
写真
岸壁に強く接着して生育する.植物体を基物の岩面に付着させる特別のしくみがかくされている.(写真:広島県三段峡) |
亜球形のさくは完熟すると縦に中ほどで4本の裂開線を生じ,上下に押しつぶされたように裂開し,中から胞子が放出される.さくはタイ類でみられるように雌包葉の中にとどまった状態で成熟する.他のセン類のさくは雌包葉につつまれることなく成熟する. |
裂開したさく.先端部分に造卵器の残骸がとどまっている.さくの中心には軸柱(コルメラ)がある. |
さくを頭からながめたもの.中心部分に造卵器の残骸であるカリプトラ(せん帽)がみられる.さくの頂端部分の組織は他の部分が紫黒色に着色しているのにこの部分は着色していない.さく壁の着色はタイ類の蒴壁のものとよく似ている.さくの裂開線の入り方(縦方向にできる),さくの色,サクの成熟様式などタイ類と共通する特徴をもっていてる.本当にセン類のなかま? |