広島大学/乾環先生胸像
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乾環先生の胸像について
広島大学の前身である廣島高等師範學校の植物学教室の主席教授であった乾 環(いぬい たまき)先生の胸像の除幕式が2012年10月30日12:30より挙行されました.胸像は昭和12年に建立されましたが,第二次世界大戦中の金属供出により台座を残すのみとなっていました(岸谷 1937, 中川 1980).台座は,広島大学が広島市中区千田町から現在の東広島市に移転した際に新キャパスに移設されていましたが,胸像再建には至っていませんでした.このたび,乾環先生胸像再建事業に対し,多数の方々からご芳志をお寄せいただき,めでたく胸像再建の運びとなりました.新しい胸像は東広島市の西条キャンパスにある理学研究科植物実験圃場入口に設置されています.
乾 環先生 胸像再建について
乾 環(いぬい たまき―1873~1946)先生は,明治44年広島高等師範学校教授として第五高等学校からご来任になり,昭和4年広島文理科大学創立時の植物学教室の主任教授を務められ,植物生理生態学を講じられたほか,生徒監,教務課長にも就かれ,生徒,学生の薫陶に当たられました. 研究面での特筆すべきご功績は琉球泡盛菌の研究で,その発見・命名者として知られています.ご退官の翌年昭和12年春,先生の功績・仁徳を後に伝えるために先生を敬慕する知友門下により胸像が広島市東千田町の理学部植物園内に建立されました.誠に遺憾なことにこの胸像は戦時中の金属回収のため銘板と共に撤去されました. しかし,広島大学の東広島新キャンパスへの統合移転が進む中,平成3年の理学部移転に伴い,その台座部分が植物園の一部の植栽樹木とともに東広島キャンパスの植物実験圃場に移設されました.統合移転完了後20年の節目,かつ理学部がその流れを汲む広島高等師範学校の創立110周年にあたり,理学部生物系教員を核とする有志一同による乾環先生胸像再建事業が発起され,学内外から寄せられた147名4団体からの拠金により,このたび胸像が再建されました.胸像の作者は日本彫刻会会員田畑功氏です. 平成24年10月30日 乾環先生胸像再建事業会
乾環先生略歴
- 明治6年9月,東京生まれ.
- 明治28年,第一高等中学校第二部卒業
- 明治31年,東京帝国大学理学大学植物学科卒業
- 明治32年,東京帝国大学農学科大学講師
- 明治36年,第一臨時教員養成所博物学科講師
- 明治36年,熊本第五高等学校教授
- 明治44年,広島高等師範学校教授
引用文献
参考文献
- 増田芳雄. 2002. 大野直枝の人と業績. Pp. 194. 学術出版センター, 東京.
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