紅葉のしくみについて
提供: 広島大学デジタル博物館
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どうして葉の色が変わるのだろう?
葉が緑色に見えるのは 葉緑体(クロロフィル)という緑色の色素を持っているからである。
この葉緑体は 1.太陽の光と 2.空地中の二酸化炭素 3.根からの水とで
炭酸同化作用(光合成)をおこして植物体の栄養になる糖分を作っている。
しかし、植物には秋になって寒さが増してくると活動が鈍くなり葉には水分の蒸発を防ぐために葉の付け根と幹の間に離層という特別な細胞層が作られる。この離層は外側からできはじめ、次第に内部へと発達していきます。
葉の柄の中には道管(根から吸い上げられた水の通り道)があり、その外側に師管(葉で作られた木の養分の通り道)があります。離層の形成が外側の師管のところまですすむと、葉で出来た養分(糖分)は枝の方へ移動しなくなり、葉の中に糖分がいっぱいたまることになります。このたまった糖分からアントシアンという赤い色素が出来、それと同時に寒さによって葉緑素がこわれるためにアントシアンの赤が目立つようになり、葉が赤くみます。
最終的には、どうなるのだろう?
離層の形成が道管の部分まで進むと、根からの水分がこなくなり、ついには葉が落ちてしまう。
紅葉の色々
赤く色づく・・・・・アントシアン(色素)
イロハカエデ、ウリハダカエデ、ヤマウルシ、ヌルデ、ウリカエデなど
茶褐色に色づく・・・フロバフエン(色素)
クリ、コナラ、クヌギ、ヤブデマリ、
黄色く色づく・・・・カロチノイド(色素)
イタヤカエデ、エンコウカエデ、ミツデカエデ、トウカエデ、チドリノキ などがある。
参考文献
- 沼田 真. 1979. 四季の森林. 地人書館, 東京. (p. 130~132)