甕形土器

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甕形土器(かめがたどき)

  • 甕形土器は弥生時代、古墳時代に見られる土器の形で、現代の甕に似た形をしているところからこのように呼ばれる。しかし、現代の甕は主として水などの液体を入れる容器であるが、甕形土器は煮炊き用が主要な用途の一つで、貯蔵に利用されたものも少なくないと思われる。
  • 甕形土器は縄文時代の深鉢形土器から変化して成立した器種である。煮炊きに利用される甕形土器は現代で言うと,鍋・釜にあたり、土器の外面に煤が付いているものが多く認められる。
  • 弥生土器は、縄文土器を基礎にしながら朝鮮半島を通じて伝えられた稲作文化と融合する中で成立したものと思われる。基本的な器形(土器の形)壺形土器、甕形土器、鉢形土器、高坏形土器という4種類がある。壺形土器は貯蔵用、甕形土器は調理用、鉢形土器は盛り付け用や貯蔵用、高杯形土器は祭祀用などに利用されたと考えられている。
  • 広島大学東広島キャンパス内の鏡西谷遺跡など弥生時代の遺跡では多く見られる器形である。