広島県の気候は,全体として温和である.県東南部は瀬戸内小気候区に属し,温暖で年平均気温14~16℃(一部は16℃以上),降水量は少なく,年降水量1200~1400 mm(一部は1200 mm未満)である.県中央部から南部は山陽小気候区に属し,温暖で年平均気温12~16℃(島嶼部では16℃以上の地域もある),降水量も少なく,年1400~1600 mm未満である.県北部及び西部の高地は中国山地小気候区に属し,冬季は寒冷で積雪も多く,年平均気温12~10℃未満,山岳地帯では8℃未満,年降水量は1600~2000 mm未満,山岳地帯では2000 mm以上に達する.最深積雪は,県中央部から南部では10~30 cm未満であるが,中国山地の山麓では50~100 cm未満で,山岳地帯では100 cm以上のところもある(田中1982; 広島県1987).このような,日本海側に匹敵する多雪地帯の存在が広島県の植物相に大きな特色を与えている. | 広島県の気候は,全体として温和である.県東南部は瀬戸内小気候区に属し,温暖で年平均気温14~16℃(一部は16℃以上),降水量は少なく,年降水量1200~1400 mm(一部は1200 mm未満)である.県中央部から南部は山陽小気候区に属し,温暖で年平均気温12~16℃(島嶼部では16℃以上の地域もある),降水量も少なく,年1400~1600 mm未満である.県北部及び西部の高地は中国山地小気候区に属し,冬季は寒冷で積雪も多く,年平均気温12~10℃未満,山岳地帯では8℃未満,年降水量は1600~2000 mm未満,山岳地帯では2000 mm以上に達する.最深積雪は,県中央部から南部では10~30 cm未満であるが,中国山地の山麓では50~100 cm未満で,山岳地帯では100 cm以上のところもある(田中1982; 広島県1987).このような,日本海側に匹敵する多雪地帯の存在が広島県の植物相に大きな特色を与えている. |