植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter525

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ヒコビアミニレター No. 525(2021年4月18日)

 2021年4月11日の第648回植物観察会は広島県東広島市鏡山の広島大学東広島キャンパスで開催された.天気は快晴,絶好の花見日和であった.参加者は57名.10時に理学部前に集合.最初にコース説明とともに,サクラの資料などを配布した.東広島キャンパスには多くのサクラが植栽されている.2021年4月現在,77品種が確認されており,県内でも有数のサクラのコレクションとなっている.昨年度に東広島キャンパスで開催を予定していたが,新型コロナウイルス感染症の影響で延期していたものである.説明の後,文学部南に植栽されている西宮権現平桜(ニシノミヤゴンゲンダイラザクラ)を観察した.ヤマザクラの一品種とされているが開花はやや遅い.散り際に花弁に赤い脈が走ることを解説した.その後,中央図書館近くにある国際の森に移動して,広島江波山桜(ヤマザクラの変種とされている)被爆桜(品種としてはソメイヨシノ)を観察した.広島江波山桜は花が終わっていたが,この木は穂木を広島市植物公園から譲り受け,数年前から開花している.学士会館から総合科学部へ抜けるルートを歩き,八重の園芸品種である関山(カンザン)や,野生種のオオシマザクラオオヤマザクラを観察した.関太郎先生からオオヤマザクラについて,花序などその特徴について説明があった.西駐車場に移動し,サトザクラの仲間を観察した.ソメイヨシノより遅咲きの八重桜が多く,ちょうど見頃であった.西図書館付近でこの2月に植栽したサクラの解説後,国際協力研究科へと向かった.途中,「西さくら道」と名付けられたソメイヨシノの並木を紹介した.10日前なら満開だったのだがかなり花が散っていた.国際協力研究科では,エドヒガン群のサクラがわずかに残り,サトザクラの仲間が見頃であった.緑色の花を咲かせる鬱金(ウコン)御衣黄(ギョイコウ)を紹介,一葉(イチヨウ)普賢象(フゲンゾウ)では葉化雌しべの数が違うことを解説した.ちょうどお昼頃になり,新型コロナウイルス感染症を勘案して2時間程度で終わりとした.大学会館前で解散後,二手に分かれ,自家用車の方については北駐車場まで案内した.道中で工学部西の十月桜(ジュウガツザクラ)仙台吉野(センダイヨシノ)を紹介した.お弁当持参の方は大学会館前で昼食をとった.発見の小径(こみち)の入り口を案内して北3駐車場に向かい,途中で本部前に植栽されている子福桜(コブクザクラ)を紹介した.今回,植栽されているサクラの中に品種名が不明のものがまだ数品種残っていることが明らかとなった.なお,この日紹介したサクラの写真を広島大学デジタル自然史博物館の中で公開している(下記のリンク参照).今回紹介しきれなかったサクラもあるので合わせて鑑賞いただきたい.

(S. Ikeda & H. Tsubota 記)

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