植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter497

提供: 広島大学デジタル博物館
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ヒコビアミニレターNo. 497(2019年5月20日)

 2019年5月19日の第621回植物観察会は,庄原市比和町 比和総合運動公園~福田頭の山麓で行われた.参加者52名.比和総合運動公園の駐車場に10:20集合,経路を説明し,ブナがある辺りまで登ることにする.駐車場の標高540 mから車道を下る,舗装路の周辺はブタナが満開,端にヌカススキキュウリグサは残花,キキョウソウの花はまだ,オヤブジラミヒレアザミが咲き始め,植栽されたシラカンバが数本,花弁数の多いハナニガナが満開,ミツバアケビサルトリイバラシナノキウグイスカグラなどの落葉樹の下にキンランの花,フジの花は終わり頃,ナガバモミジイチゴの花は終り,コゴメウツギがつぼみ,イヌシデの果穂が虫こぶになっている.標高490 mで集会所前の小駐車場へ,元常川を渡り井西谷の町道を東に上る,コウゾリナコメツブツメクサオヘビイチゴヤマハタザオに花,ノビルはつぼみ,渓畔のオニグルミが雄花序を下げ,サルナシはつぼみ.集落内の道標に従って水田を抜け,防護柵から出ると林地となる,標高560 m.タニウツギミツバウツギが開花,ツノハシバミガマズミキブシヤマブキ(若果),スギの雄花序がまだ残っているが雌花序は球果らしくなっている.林道沿いの林縁にナラガシワヒメコウゾは雌雄両方の花序,オオイカリソウは残花,タチシオデに花,クマイチゴの残花と若果,ダンコウバイコバノガマズミミヤマガマズミイヌツゲも.昼近くなったので,少し急ぎ,標高670 mで林道が終わる.裸地一面に焚火跡に多いヒョウタンゴケが蒴(胞子体)を付けているが,炭らしいものは見えなかった.木橋を渡り,谷沿いの道を登る.林床斜面にチャボガヤハイイヌガヤが目立つ,オククルマムグラに花,ツルカノコソウに果,登山路の土中に「たたら製鉄」の鉱滓である金糞が混じる.かつては薪炭林はスギヒノキの人工林になっている.コアジサイはつぼみ,ホウチャクソウユキザサの花は終わり頃,チゴユリタニギキョウは花盛り,ハナイカダは雄花と雌花がそれぞれの株に.昼を過ぎたので,渓畔のやや広い場所で昼食とする.標高720 mのヒノキ林で,ナツツバキケヤキチドリノキクマシデクロモジウスゲクロモジ(花),ヤブデマリヤマアジサイなどの下に,エンレイソウコチャルメルソウ(若果),ユキザサ(花),オオバショウマモミジガサスミレサイシンウバユリミヤマカタバミリョウメンシダラショウモンカズラ(残花),ミズヒキヤブレガサが多い.一の滝へ向かう道すじにコケイランが数株咲き,若果を付けたヒトリシズカの葉は光沢がある.ツタウルシの幼型の葉に注意を促す.滝つぼの下方に大きなカツラが十本以上の株立ちとなっている.登山道に引き返し二の滝に向かう,標高820 m辺りで「あがりこ」状態の[[ブナの大樹があった.この先は植林が続くので,ここで引き返す.

(H. Taoda 記)

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