植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter484

提供: 広島大学デジタル博物館
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ヒコビアミニレターNo.484(2018年6月19日)

 2018年6月17日の第608回観察会は,庄原市西城町平子で行われた.天気は晴れ.参加者は51名.10時丑の河の八坂神社前に集合.県道沿いが石灰岩地,周辺が砂岩泥岩互層であることを説明,予定コースを説明して出発.渓畔には若い果実を着けたフサザクラが多い,対岸のケグワの大木には完熟果実も見える.マタタビの花は雄花と両性花がある,イワガラミは花終わり,イタヤカエデヤマトアオダモケヤキなどの木本,草本はウツボグサが花,外来植物のヒメジョオンヒレアザミセイヨウノコギリソウムラサキツメクサハキダメギクも開花中.丑の河トンネルの開通で利用されなくなった旧道を下る,オニグルミに大きな果実,ケケンポナシはつぼみで花托が膨らんでいない.ウツギヌルデヤマカシュウカナクギノキヤマウコギ,果を着けたクマイチゴヒメコウゾは若果,クマノミズキは開化直前,ミツバウツギに袋果,ハナイカダの葉に果実が乗っている.サルナシマタタビが絡み合っていたので茎を縦に切って薄膜・階段状と隙間なく充実した髄の違いを確かめる.キビナワシロイチゴは果が落ちていた.低木類の多い旧道を引き返して神社への車道に入ると,明るい路上にクルマバナ,やや暗い場所にイヌトウバナ,路傍にホタルブクロの白い花,ギンレイカはつぼみ,チャボガヤハイイヌガヤに多数の若果,ミツデカエデの幼木,スギ林床に空の袋果を着けたセリバオウレン,湿った林床にジュウモンジシダが群生,ウリノキが白い花を吊り下げている.陽斑にサワギクの黄色,キツネアザミの淡紅色の花が見える,腐生植物のツチアケビが花茎を伸ばしている.八坂神社はスギ林内の丘の上にあり,社殿後方にモミコナラの大樹が各1本.午後は石段を下り,東方に向かう,ゴマギに若果,ユクノキはつぼみ.県道沿いの林縁にフタバアオイが群生,オオバイカイカリソウらしい葉も,一株のサイハイランが開花,コアジサイの花,クロモジキブシは若果,花は終わっているがガク片が4枚+1のオオツクバネウツギメツクバネウツギ),ツノハシバミに若果,ダンコウバイクロタキカズラコバノガマズミガマズミが並び,スイカズラが開花,ここのササは葉が無毛で稈鞘に毛が多いウツクシザサとのこと.丑の河集落への坂道は日当りが良く暑い,頭上にノグルミの花穂が見える.庄原さとやまオープンガーデン登録の明賀庭を訪問,公開期間は終わっているが暖かいおもてなしを受けて一休み.なるべく自然のままに少しずつ作られたということで養蚕時代のクワの大木,サクラウメカキの間に花木や野草・園芸種が育っている.セリ科のホワイトレース・フラワー(Orlaya grandiflora)が満開でした.

(H. Taoda 記)



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