植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter422

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ヒコビアミニレター No. 422(2013年12月20日)

 2013年12月15日の第546回植物観察会は大竹市玖波町石鎚神社・玖波行者山(313.5 m)で行われた.JR玖波駅に10時集合.参加者28名.駅から西方の恵川を上流に向かうと,新幹線橋梁の手前に大歳神社があり,小規模であるが希少植物の生育する社叢が見られた.高木層に胸高直径70.5 cmと67.0 cmのコジイ(多い)をはじめ,クスノキシイモチ(多い)等の大木が茂り.亜高木層にはミミズバイ(多い),タブノキサカキカクレミノイヌビワモッコクヤブツバキヤブニッケイ等があり,低木層にヤマビワイズセンリョウ,草本層にホソバカナワラビ(多い),アリドオシテイカカズライタビカズラキヅタ等が見られた.境内には66.5 cmのイヌマキもあった.神社西方に接して行者山登山道があり,石鎚神社を経て山頂に向かう.アラカシシリブカガシミミズバイクロキヒサカキナナミノキシキミヤブツバキヤマモモクロバイヒメユズリハタイミンタチバナトキワガキタマミズキコジイカナメモチ(多い)等が見られた.行者山一帯の地質は花崗岩で,真砂土の露出する痩せ地もある.山腹にはアカマツコナラの二次林が見られ,アセビソヨゴリョウブイヌツゲコバノミツバツツジネズザイフリボクネジキカマツカシャシャンボガンピコシダウラジロミヤマママコナコウヤボウキ等の陽生植物が見られた.他方,ヒノキスギの小規模植林も多いので,石鎚神社の行者道として手入れが為されてきたことを伺わせる.山頂で素晴らしい眺望を前に昼食をとる.帰りは鎖場の下を通るコースをとる.また,トキワガキクロバイミミズバイヒメユズリハの存在することから,対岸の宮島との関係が深いことを実感した.

(G. Toyohara 記)

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