植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter419

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ヒコビアミニレター No. 419(2013年9月26日)

 2013年9月15日の第543回植物観察会は安芸高田市高宮町川根の小掛峡で行われた.接近中の台風の影響から小雨模様のところ,参加者は37名.この峡谷は特異な穿入曲流が発達,県の自然環境保全地域であり,1982年7月にも観察会が行われている.交通が不便な地域であったが,「川根原山連絡農道」が通じて,中国道の安芸高田ICから30分かからなくなった.集合場所の川根小学校から渓谷入り口までは水田雑草を観察,アゼムシロイヌビエアゼナコナギオモダカアギナシミズマツバホシクサトキンソウヒナガヤツリタマガヤツリキカシグサタカサブロウヤナギタデに花や果実が,土手の草地にはカナビキソウニラヤハズソウに花,メリケンカルカヤツルボヒガンバナが咲き始め.渓谷の入口からスギ林の日陰となり,アラカシヒサカキヤマコウバシアブラチャンなどの低木,キツネノマゴキンミズヒキゲンノショウコチヂミザサエノキグサアキチョウジガンクビソウに花,キッコウハグマは閉鎖花,ハエドクソウヒカゲイノコヅチは果実,フユノハナワラビが胞子葉を伸ばし,クラマゴケヤブソテツミドリヒメワラビシケチシダジュウモンジシダリョウメンシダオオクジャクシダなどのシダ類も多い.渓谷に入ると湿気が多く,アスファルトの路面にトサカホウオウゴケの団塊が多数,キバナアキギリヒヨドリバナに花.木本では,カゴノキに花,ツリバナコバノトネリコウメモドキエゴノキウリカエデコアジサイに果実,ツクシハギは咲き始め,他にミヤマフユイチゴウラジロガシシラカシクリノグルミタカノツメホオノキミヤマガマズミムラサキシキブアワブキウツギヤブムラサキエノキリョウブヤマグワテイカカズラヤマボウシキブシウラジロノキウグイスカグラサルトリイバラ.渓畔にはコウヤミズキツクバネガシが目立ち,斜面にはタカノツメヤマツツジネジキコバノミツバツツジナガバコウヤボウキマツブササカキウワミズザクラコツクバネウツギネムノキタムシバアクシバネズミサシアカシデなど.右岸の尾根に登るとアカマツの若木が多く,地衣類のトゲシバリハナゴケ,蘚類のホソバオキナゴケオオシラガゴケハイゴケシッポゴケカガミゴケフトリュウビゴケなどが地表や岩上を被う.ナツハゼの果実はやや未熟であったが,渓谷入口のサンカクヅルは完熟であった.

(H. Taoda 記)

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