植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter400
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動ヒコビアミニレター No. 400 (2012年4月16日)
2012年4月15日の第523回植物観察会は広島市安芸区矢野町絵下山(えげさん)で行われ51名の参加者があった.絵下山では1983年4月24日に観察会が行われ,その記録はヒコビア9:191(1984)にあり,ホソバコケシノブやヤマグルマ,トゲアイバゴケなどの存在から,ツガ林を想起させると述べている.例年なら満開のタムシバやコバノミツバツツジの花がきわめて少なく,今春の低温のためであろうか.海抜350 mくらいからハイノキ,ところどころコジイの大木,谷間にはホソバタブやキジノオシダもある.海抜580 mの岩場に1983年に見たヤマグルマが健在であった.尾根にスズササ属Neosasamorphaの希少なアリマコスズがあるが,個体数は少ない.本峰直下の海抜570 mに岩壁があり,コウヤコケシノブやホソバコケシノブ,ヒメカガミゴケ,キノクニキヌタゴケ,イボクチキゴケ,アイバゴケなどがあり,1983年に推察した原植生はツガ林であることを裏付けた.広島湾が一望できる東屋で,亀山剛氏(復建調査設計K.K.)からデジタルテレビアンテナの建設とギフチョウの保全についてお話をうかがい,保全調査の委員長を務められた渡辺一雄広島大名誉教授も列席された.ギフチョウの飛来が期待されたが,出て来なかった.帰路は車道を下り,海抜540 mで久藤広志先生がイヌガシ(花,雄木)を見つけ,これは絵下山で未記録であった.
(T. Seki 記)
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