植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter390

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ヒコビアミニレター No. 390 (2011年8月28日)

2011年8月28日の第513回植物観察会は,広島県安芸中野の丸山(273.3 m)で行われた.JR中野東駅東口に10時集合.未だ猛暑の続く折ながら参加者32名で盛況であった.今回は1/2.5万地形図に名もない山に挑戦しようとしたのであるが,南西方向からの登り道を探すのに一苦労した.イノシシ防護の金網の戸を開けて尾根道にとりつき,急峻な獣道を登る.マツ枯れ後に発達したコナラ・アベマキ二次林が主体であるが,常緑広葉樹のアラカシ,クロキ,シャシャンボ,ヤブツバキ,ネズミモチ,ヒサカキ,ヤブニッケイ,カクレミノ,シロダモ,マンリョウ,クロガネモチなどがあり,直径20 cmのコジイが数本見られ,僅かにサカキ,シラカシ,シキミも出現したが,潜在自然植生はコジイ林であることを示している.ナラ類以外の落葉広葉樹では,クリ,コバノミツバツツジ,ネジキ,ナツハゼ,カマツカ,コシアブラ,アオハダ,ウラジロノキ,エゴノキ,ダンコウバイ,ハネミノイヌエンジュ,ミヤマガマズミ等である.山頂近くにはアカマツ二次林がまだ残っており,林床にコシダやウラジロが茂るところも見られた.里山が放置されて,遷移が進むと,アセビ,ソヨゴ,イヌツゲ,リョウブは滅びていくので,コナラ・アベマキ林には僅かに出現するに過ぎないが,山頂近くのアカマツ林には多く見られた.蝉の声を聞きながら山頂で昼食.ツクツクボウシがほとんどであるが,ミンミンゼミの声も聞こえてきた(今年初めて聞いた.)広島に多いクマゼミの声が聞こえなかった.帰路は急峻な北東の尾根を下山,JR瀬野駅で解散.

(G. Toyohara 記)

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