植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter389

提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動

ヒコビアミニレター No. 389 (2011年7月17日)

2011年7月17日の第512回植物観察会は,安芸高田市高宮町の大狩山(591 m)で行われた.参加者は45名,砂防公園駐車場から日なたの作業道を歩く.エゴノキ,タラノキ,アカメガシワなど先駆性木本に,外来の草本が多い.チュウゴクザサの群落中にナツアサドリの株立ちがあった.このあたりは,ミヤギノハギ(?)などが植栽されているので,自生かどうか分かり難い.ネジバナ,チダケサシ,オカトラノオ,コウゾ,ノギランなどが開花,クロモジ,ミヤマガマズミ,コツクバネウツギ,ナツハゼに未熟の果実がある.林内に入ると,ナツツバキの落花が目立つ.北向きの斜面はヒノキ植林で,林床にヒノキゴケ,カガミゴケなどのコケが多い.関先生が水中の岩にクマノゴケがありそうと探し,すぐに見つかった.花のないハナタツナミ,クモキリソウ,シュンラン,オオバノトンボソウ,ヒトツボクロ,シュンラン,ニシキゴロモ,タニギキョウなどの競争に弱い種類が見られ,ハエドクソウ,ヤマジノホトトギスが花をつけている.標高500 m付近で,イヌブナ,ハネミノイヌエンジュ,シラカシ,イヌガヤ,コムラサキ,ノグルミなどの木本があり.標高560 mで尾根へ出るとアカマツ林となる.アベマキ,マルバアオダモ,クロモジ,ホオノキ,リョウブ,ザイフリボク,ウラジロノキ,オオウラジロノキ,ネジキが多い.山頂部の日なたを避けて昼食.下山路は尾根沿いで,草本が少なく,林床にはカンサイスノキ,ヤマツツジ,コバノミツバツツジ,コウヤボウキ,イチヤクソウがある.アカマツの枯れた大木があり,戦時中に松脂を採取した痕が残っている.かつては立派なアカマツ林であったらしい.

(H. Taoda記)

デジタル自然史博物館 / 広島大学 / 宮島自然植物実験所 / 植物観察会のトップ / 過去のヒコビアミニレター / 古いNews | 植物 にもどる