植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter379

提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動

広島大学 > デジタル自然史博物館 > 宮島 > 植物観察会 | 植物

ヒコビアミニレター No. 379 (2010年11月1日)

2010年10月17日の第502回植物観察会は山県郡北広島町大朝の雉子の目山(897 m)で行なわれた.集合場所の八栄神社駐車場は大朝ICから5分程,参道の石段にある一対の大ヒノキは県指定天然記念物.天気も良く,参加者は53名.自家用車は乗り合わせて台数を減らし,登山口へ移動する.廃道となった作業道の両脇にはクマイチゴツノハシバミクロモジツクシハギアカメガシワナワシログミなどの低木が繁り,サルナシの果実がぶら下がる.路傍・路上にはツリフネソウアキチョウジコヤブタバコノダケシュウブンソウコメナモミが咲く.林道から2つ目の谷を登る.スギ林内にはリョウメンシダが多く,アブラチャンコアジサイハナイカダと共にスギの適地であることを示している.ホウチャクソウフシグロセンノウオオバショウマが果実をつけ,サラシナショウマタンナトリカブトの花は終わりごろ,アケボノソウは咲き始め.標高700 mを過ぎるとミズナラクリが優占する二次林となり,760 mからは尾根道,アセビウラジロノキウリカエデコバノミツバツツジなどアカマツ林の要素が多くなる.オトコヨウゾメアラゲナツハゼミヤマガマズミシオデの果実,シラヤマギクの花が眼につく.三角点のある山頂は狭く,展望はきかない.カシワレンゲツツジが散在するので,かつては草原だったのだろう.昼食後,北斜面の植生調査を行なう.高木層は樹高12 m,直径20-30 cmのミズナラコシアブラが優占,クリアズキナシカスミザクラが混じる.亜高木層にはウチハカエデリョウブクマシデネジキなど,低木層はダイセンミツバが優占,イヌツゲヤマツツジクロモジなど,草本層にはツルシキミシシガシラケタガネソウヒメカンスゲなど.ブナは山頂付近には見られず,尾根部の805 m地点で1本だけ見つかった.薪炭林時代から存在していたものらしい.

(H. Taoda記)

デジタル自然史博物館 / 広島大学 / 宮島自然植物実験所 / 植物観察会のトップ / 過去のヒコビアミニレター / 古いNews | 植物 にもどる