植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter372

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ヒコビアミニレター No. 372 (2010年6月20日)

2010年6月20日の第496回植物観察会は広島市佐伯区五日市の海老山(かいろうやま)から商工センターにおいて行われた.天気は曇ときどき小雨.参加者は50名.10時にJR五日市駅に集合した.まず海老山に向かう.かつては海につきでた半島で,現在は埋め立てによって市街地の中に取り残されている.公園として整備され,アラカシなどの常緑樹が多く見られる.昭和30年代に五日市の学校に勤務された井長整次先生の説明によると,かつてはアカマツ林であり,その先は海だったとのこと.この50年ほどの周辺環境や植物群落の変化に驚く.アメリカフウロ,ナギナタガヤ,メキシコマンネングサ(?),ヒメジョオン,ヨウシュヤマゴボウ,ニワゼキショウ,ヒメコバンソウ,カラスムギ,シロツメクサ,トキワツユクサ,ツルニチニチソウ,ニセアカシア,マメグンバイナズナなど多くの外来植物を見る.京都帝大の小泉源一博士は1918年に五日市で採集された標本に基づいてウツクシザサを発表している.この基準産地は現在不明で,海老山ではないかと一同で探したが,見つからなかった.南端の展望台からは,海老山南の地先の埋立地に生じた大きな淡水湖を見る.石川真智子先生の話によると,多くの水鳥がくるとのことであった.ユウゲショウやマツバゼリ,ヒルザキツキミソウなど見ながら麓の塩屋神社に.神社ではケヤキの大径木やサカキの花を見る.銅板拭きの社の雨水が落ちる場所にはヘビノネゴザが生育していた.また,埋立地の新しい住宅地ではベニバナセンブリの花を見た.みずどりの浜公園で昼食.芝生のなかにネジバナの花を見つける.その後,商工センターから広電井口駅に向かう.商工センターの街路にはシャグマハギ(広島県新産の外来種)やワルナスビの花が見られた.街路樹の下ではシナサワグルミの実生の小さい葉が複葉になっていないので,全員が何かと迷う.また,イモカタバミの白花があった.ペラペラヨメナを採集し,井口駅前の公園の中に埋立てで残された島を見て,15時頃駅にて解散した.

(Y. Yoshino記)

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