植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter368

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ヒコビアミニレター No. 368 (2010年5月10日)

2010年4月18日の第493回植物観察会は三次市作木町の女亀山(めんがめやま,830.3 m) で行われた.参加者56名.今年の春は曇りや雨の日が多く寒い日が続いていたが,当日は 天候に恵まれ比較的暖かかった.作木岡三淵新規就農センター前に10時に集合.映画「荷 車の歌」の撮影地で,殿敷と呼ばれる庄屋屋敷が目印.石橋先生から頂上に残るブナ林な どの植生とコースの説明を受ける.女亀山では1989年8月20日に今回と異なるコースで観 察会が行われており今回が二度目.古くは女神山(めんがみやま)と呼ばれ,玉依姫命が 祀られている信仰の山でもある.説明の後登山口に向かう.集落周辺では春の水田雑草が 花盛り.ゲンゲやウマノアシガタ,シロバナタンポポ,ヒメオドリコソウも開花.林道を 進むと次第に周囲はスギやヒノキの植林になる.ミツマタの花が終わり.収益作物として スギとともに混植されたものの名残か.オオタチツボスミレやタチツボスミレなどスミレ 類が満開.日本海要素の一つトキワイカリソウは未開花であったが生育していた.1時間 ほどで女亀神社の鳥居に到着.女亀山が一望できる.道はいったん少し下り,谷筋を進む. カツラやナツエビネを確認.9号目まで植林が多く,頂上付近だけにブナ林が残る山であ るため,山道を急ぐ.植林の林床にはリョウメンシダが多い.海抜が上がるに従って, チャボガヤやハイイヌガヤ,エゾユズリハ,ツルシキミ,ミヤマカタバミなどの日本海側 の多雪地帯で見られる植物が多くなった.海抜800 mくらいからブナやミズナラ,クリ, チマキザサ,エンレイソウ,ツクバネソウなどが構成種の落葉広葉樹林に移行.ブナは芽 吹いておらず,まだ冬の装い.まもなく島根県との県境の稜線に到着.広島県側に比べ島 根県側の樹木が大きい.この周辺のブナは大木が多く,胸高直径が1 m越のものも散見さ れる.山頂の広場で昼食をとり,写真撮影後下山.案内では高低差からB級としてあった が,ややきつめの山であった.

(H. Kubo & H. Tsubota記)

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