植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter330

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ヒコビアミニレター No. 330 (2007年5月22日)

2007年5月20日の第455回植物観察会は宮島において行われた.旧宮島町役場前に10時集合.講師:奥田.参加者49名.コースの説明のあと,宮島在住の藤山氏の道案内のもとに,紅葉谷公園~バクチ尾~包ヶ浦~旧杉ノ浦道コースで出発,大元公園やもみじ谷公園はシカが食べないシロダモ,イヌガシ,アセビ,ミミズバイなどがやたらと目に付く.谷部ではモミ,カヤ,アラカシ,シリブカガシなどが上層を覆い林内は暗いが,バクチ尾根へとりつく斜面あたりから植生ががらりと変わる.特に尾根筋の土壌はやせており,疎林となるため明るい.とはいえ私が学生時代にこの付近で植生調査をしていたころと比べると(もう25年以上も前),ヤブツバキ,ヤマモモ,タイミンタチバナなどが大きく育っているようで"立派な森"に変貌しつつあるのに少々驚いた.逆に桟橋や神社付近などの低海抜の森林ではヤブツバキやヤマツツジが昔に比べると随分少なくなった気がする.ヤブツバキはシカが樹皮食いをする.ヤマツツジは盆栽状になって残ってはいるが強度の採食圧で景気が悪そうだ.25年の歳月はシカが森林の組成を変えるには十分すぎるほどの時間なのかもしれない.バクチ尾根から包ヶ浦に下る斜面では,カナメモチ,トキワガキ,イソノキ,マルバアオダモ,カンザブロウノキ,ヤマモガシなどを多数見つけた.またコツクバネウツギ,ガクウツギ,ホウロクイチゴの花を見かけた.当日は,快晴で珍しく非常に空気が澄んでおり,久しぶりに見る瀬戸内の美しい風景を楽しみながら包ヶ浦をあとにした.


(T. Okuda 記)

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