植物観察会/KansatsukaiPageMiniLetter301

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ヒコビアミニレター No. 301 (2005年1月4日)

2004年12月5日の第426回植物観察会は佐伯郡宮島の包が浦で行われた.宮島桟橋前に10時集合,包が浦まで乗用車3台で移動.参加者49名.30年前には池の岸で豊富に見られたシバナが,鹿による食害で絶滅寸前となっていたが,防護網で保護した結果少しずつ増えてきたということであった.近年,宮島自然植物実験所に習って,包が浦休憩所の職員が植物に名札を付けるなど植物探索路の整備が行われてきた.

大砂利浦に向かう道路の入り口付近で,直径9 cmのハマニンドウの太い蔓があった.鷹ノ巣砲台跡(海抜高)約190 m)への道はボランティアグル-プの活動によりきれいに整備されていた.ウラジロガシが低海抜であるにも拘わらず点々と見られた.鷹ノ巣砲台跡も通路の草刈りなどの手入れがされていたが,もう少し展望のきく通路を確保した方がよいと思われる.砲台跡からキャンプ場に至る道が新たに開かれていたので,その道を通って下山する.これもボランティアによるものである.クロバイの大木が数本枯れていたが,直径50 cm位がクロバイの寿命らしい.キャンプ場の近くでイボタノキを発見.カギカズラの太い蔓があり,直径19 cmであった.今回の観察会は,宮島でミヤマママコナを探す目的であったが結局1本も見つからなかった.クスノキの大木(胸高直径133 cm)の脇を通って「悠久の森」に昨年の5月に植樹されたクスノキを見に行く.悠久の森は宮島の大鳥居を改修するクスノキを育てようという市民運動に賛同して,広島営林署が管轄内に設けたものである.マツ枯れ跡地であるが,林床にコシダやウラジロが繁茂していない.林床にホソバカナワラビが出現する範囲は,潜在自然植生がクスノキ-ミミズバイ林であり,クスノキはその範囲内に植えられた.潜在自然植生の概念は植樹に不可欠のものである.

(G. Toyohara 記)

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