植物分類・生態学研究室/教育・研究活動/研究内容

提供: 広島大学デジタル自然史博物館_広島大学総合博物館
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研究内容

本研究室は,旧広島文理科大学の時から一貫して隠花植物の分類学的研究と植物群落の生態学的研究を行ってきた.現在この豊富な研究資産を受け継ぎ,それを基礎として,新しい手法を用い,研究領域の拡大・発展をめざして研究活動を進めつつある. 研究内容の幅広いことが当講座の特徴であり,各々の分野で各自の個性を尊重した活発な研究を行うことができる.当研究室では藻類,菌類,地衣類,コケ(蘚苔)植物,シダ植物,種子植物に至るはば広い植物群についての研究を行ってきたが,近年はもっぱら蘚苔植物に重点を置いている.

研究テーマ

1.コケ植物の分類学・植物地理学的研究

北アルプスなど日本の高山帯、屋久島、小笠原諸島などの島嶼、マレーシア、インドネシアなどの熱帯雨林、南極などの極地を含む、国内外の様々な地域で調査を行い、各地の蘚苔類フロラの解明、新種の記載、新産種の報告、モノグラフの作成、分子系統地理学的解析など総合的な研究を行っている。研究の基盤となる国内外のコケ植物の標本約40万点が広島大学植物標本(HIRO)に収蔵されており、本研究室で管理し、データベース化を進めている。コケ植物に関する文献と標本は日本の大学では随一であり,活発な研究活動を支えるものとなっている.

2.植物の細胞分裂様式の多様性と進化に関する研究

コケ植物の紡錘体形成様式には、動物や藻類のように中心体を微小管形成中心とする一点集中型のものから、被子植物のように細胞質に分散した微小管形成中心を持つ分散型のものまで、さまざまな形態のものがみられる。コケ植物で見られる多様な細胞分裂機構を研究することで、植物の細胞分裂機構の進化を明らかにしたいと考えている。

3.コケ植物の有性生殖の研究

顕花植物が花粉の移動手段として,様々な方法を進化させてきたのと同様,コケ植物も,4億年の進化の中で,精子の輸送手段として、水媒,風媒,虫媒といった様々な精子の輸送手段を進化させてきた.例えば、水の存在にたよらずに精子を長距離散布する戦略の1つとして,タイ類の一部では,精子を空中に爆発的に放出する。未だに未知の生物学的現象が多い、コケ植物の有性生殖の過程について、実験的手法・形態学的手法を用いて調べている。

4.コケ植物の葉緑体ゲノムの解析

次世代型シーケンサーを用い,コケ植物の幅広い分類群で葉緑体ゲノムの全塩基配列を決定し,遺伝子の構成や配置順序などゲノムの構造を情報として,コケ植物の主要分類群の系統関係、陸上植物の葉緑体ゲノムの初期進化についての研究を進めている.

5.コケ植物の形態学・比較発生進化学

コケ植物の頂端細胞の周辺でおこる規則的な細胞分裂パタンと,葉序をはじめとする植物体の形態の相関関係について調べている.また,植物共通に見られる形態形成遺伝子のコケ植物における機能を解析し,陸上植物の形態進化や世代交代の起原にせまろうとしている.

最近の主な研究成果(2000年以後)