東広島植物園/2024ホームカミングデー
提供: 広島大学デジタル博物館
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2024年度ホームカミングデー
樹木クイズ解説
- 回答の樹木の解説を載せています.
- 問題に使用した植物は広島大学内にあるものを使っています.
入門編
木の実ではないものも含まれています.
①カキ
- 標準和名はカキノキ
- 果実は多肉の液果となっています.
- 西条柿は東広島市西条町寺家が原産地の渋柿です.完全渋柿に属し,軟熟するまで完全に渋が抜けず,果肉に褐斑ができません.
②サツマイモ
- 一般に塊根が食べられていますが,葉や茎も食されることもあります.
- 果実は蒴果(さくか)で,暖地ではまれに見ることができます.
③ヘチマ
- 熱帯アジア原産のウリの仲間
- 乾かした果実はスポンジに、茎からでた水分は化粧水に利用されます。
- 沖縄ではナーベーラー、長野ではトウリと呼ばれます。
④ヒョウタン
- ウリの仲間
- くびれた果実ができ、中身をくりぬいて酒器などに加工されます。
⑤カボチャ
- ウリの仲間.
- 名前の由来はカンボジアからきたことで,それが転じてカボチャになりました.
⑥トウモロコシ
- イネの仲間で,穎果は多数つき,肉質.
- 唐唐黍が名前の意味で,唐黍,モロコシキビは蜀黍のことで,これに唐を加えてトウモロコシとなりました.
- トウモロコシキビの略が名前の由来です.
⑦ザクロ
- 果実は球形.
- 果皮が割れ,淡紅色の種子が現れます.外種皮は酸っぱいが食べることができます.
- 名前の由来は石榴の音に基づいたものです.
⑧イチョウ
- 裸子植物で,銀杏(ぎんなん)は種子.
- 「生きている化石」と呼ばれることもあります.
⑨イチジク
- 無花果という名前は花のうから来ています.
- 花のうの内部には無数の花があります.
- 雄花と雌花の区別はあるものの,日本には雄花はない.
- 本来であれば受粉には小さなハチ(イチジクコバチ)が必要ですが,日本のものはほとんど受粉を必要としない単為結果性品種です.
⑩カラタチ
- 日本原産のタチバナ(ニッポンタチバナ)に対して、中国原産であるためカラタチバナといい、それを略したものが和名となっています。
- いいにおいがするが食用ではなく、薬用にされる。
発展編
a.ヤマノイモ
- 葉の付け根にむかごをつけて,栄養生殖します.
- とろろなどで食用とするのは近縁なナガイモの根が肥大したものです。
b.サルトリイバラ
- 紅色の丸い実をつけます.種子は黄褐色.
- 名前はトゲがあって猿が引っかかるということから猿捕りいばら(サルトリイバラ)というのが由来です.
- 西日本では柏餅を包む葉に使われています.また,根茎は民間薬になるといわれています.
c.タイワンフウ
- 球状の集合果をつけます.
- 葉の形がカエデ(楓)に似ていることからフウと呼ばれています.
d.モミジバフウ
- 球状の集合果をつけます.
- 樹形が三角形になり,紅葉がきれいなため,街路樹として植栽されています.
e.イロハモミジ
- 広島県の木に指定されています.
- 翼果をつけます.(風によって散布されます.)
- カエデという呼び方は蛙手から来ています.
- モミジと呼ぶのは紅葉が他のものより優れていることからです.
- 7裂する葉をイ,ロ,ハ,ニ...と7つ数えたからイロハモミジの名がつきました.
- 元々カエデ科に属していたが分類体系が新エングラー体系からAPG体系に変わって,ムクロジ科になりました.
f.ナンキンハゼ
- 果実は熟すと3裂し,白い仮種皮に包まれた種子が現れます.
- 鳥が種子を食べることで種子が散布されます.街路樹としてよく植えられますが,鳥に種子が運ばれ広がっています.
g.カイノキ
- ウルシの仲間です.
- 成長すると幹の芯が腐爛(乱)することが多いことから,別名「ランシンボク」といいます.
- 孔子と縁が深く,中国山東省曲阜にある孔子廟(こうしびょう)に植えられている木として有名で,「学問」の聖木とされいています.
g.ムクロジ
- 実は黄色く,種は黒色.
- 種は羽根つきの球に使われていました.
- 果実の皮からは石鹼になるような成分がでており,水にいれて振ると泡立ちます.
挑戦編
堅果とはどんぐりのことで殻斗とはどんぐりの帽子の部分のことです.
A.スダジイ
- 円錐状卵形の堅果をつけます.
- 表面に横線上に並んだ小さな突起がある総苞が堅果を包んでます.
- 白色の子葉をもった種子は食用になります.
- スダジイの「スダ」の由来は不明.
- よく似た種にツブラジイ(コジイ)があるが,ツブラジイの方が葉が薄いです.
B.ナラガシワ
- 楕円形の堅果をつけます.
- 殻斗はおわん型で,縁は厚く,外側に小鱗片が接着しています.
C.アラカシ
- 球状楕円形の堅果をつけます.
- 殻斗はおわん型で,外側は横輪模様になっています.
- 広島県の山でよく見かけます.
- 材の利用は様々にわたり,木炭に適しています.
- 枝や葉が粗いことからアラカシとなったと,推測されます.
- カシの由来は堅木で樫と読ませることから.
D.ウバメガシ
- 楕円形または紡錘状楕円形で先端がとがった堅果をつけます.
- 果実は食べることができます.
- 殻斗(どんぐりの帽子の部分)はおわん型で縁は薄く,瓦状の鱗片が重なった形をしています.
- とても材が堅いため備長炭の材に用いられます.
E.マテバシイ
- 堅果は堅く,長楕円形もしくは楕円形.
- 翌年の秋に熟します.
- 殻斗(どんぐりの帽子の部分)は皿状で鱗片は瓦状に並びます.
- 種子は食べることができるが味は良くありません.
- マテバシイという名前の「マテ」は九州の方言で意味は不明.
F.シラカシ
- 堅果は広楕円形.
- 殻斗は浅いおわん型で,外側は横輪模様になっています.
- 名前の由来は白かしで,材が白いことから来ています.
- 広島大学理学部のシンボルツリー.
G.クヌギ
- 球形の堅果をつけます.
- 殻斗は大型でおわん型,線形の長い鱗片が密生しています.
- アベマキの葉よりやや細いです.
- 名前の由来は国木から.
- 広島県に自生はないと思われます.
H.オキナワウラジロガシ
- 日本で最大のドングリです.
- 沖縄県に自生しており,広島県には自生していません.
- 東広島植物園では大温室に植栽されていますが,まだドングリはなりません.
I.コナラ
- 楕円形もしくは円柱状の楕円形の堅果をつけます.
- 殻斗は皿状で,縁は薄ですい.
- 葉の特徴は先端寄りで最大の幅になることです.
J.アベマキ
- 球形の堅果をつける.堅果のみではクヌギと見分けることは困難.
- 殻斗は大型でおわん型,線形の長い鱗片が密生してます.
- クヌギと見分けるには葉の裏の毛の有無や,樹皮が参考になります.
- アベマキの「アベ」は岡山県の方言である「アバタ」から来ており,樹皮のコルク層発達による凹凸からつけられました.
- 広島県ではアベマキが自生しています.
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