東広島植物園/2023ホームカミングデー
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2023年度ホームカミングデー
2023.11.04 東広島植物園の施設公開を行いました.
樹木クイズ解説
- 回答の樹木の解説を載せています.
- 問題に使用した植物は広島大学内にあるものを使っています.
入門編
木の実ではないものも含まれています.
①サツマイモ
- 一般に塊根が食べられていますが,葉や茎も食されることもあります.
- 果実は蒴果で,暖地ではまれに見ることができます.
②トウモロコシ
- イネの仲間で,穎果は多数つき,肉質.
- 唐唐黍が名前の意味で,唐黍,モロコシキビは蜀黍のことで,これに唐を加えてトウモロコシとなりました.
- トウモロコシキビの略が名前の由来です.
③カボチャ
- ウリの仲間.
- 名前の由来はカンボジアからきたことで,それが転じてカボチャになりました.
④サトイモ
- 熱帯アジア原産のサトイモ科の植物です.
- 球茎が食べられます.
- 里で作られていた芋なのでサトイモ
⑤カキ
- 標準和名はカキノキ
- 果実は多肉の液果となっています.
- 西条柿は東広島市西条町寺家が原産地の渋柿です.完全渋柿に属し,軟熟するまで完全に渋が抜けず,果肉に褐斑ができません.
⑥イチジク
- 無花果という名前は花のうから来ています.
- 花のうの内部には無数の花があります.
- 雄花と雌花の区別はあるものの,日本には雄花はない.
- 本来であれば受粉には小さなハチ(イチジクコバチ)が必要ですが,日本のものはほとんど受粉を必要としない単為結果性品種です.
⑦イチョウ
- 裸子植物で,銀杏(ぎんなん)は種子.
- 「生きている化石」と呼ばれることもあります.
⑧ザクロ
- 果実は球形.
- 果皮が割れ,淡紅色の種子が現れます.外種皮は酸っぱいが食べることができます.
- 名前の由来は石榴の音に基づいたものです.
⑨スダチ
- 徳島県原産で徳島県の各地で生産されています.
- 果実は酸味が強くそのまま食べるのには向きませんが,果汁は調味用によく使われます.
⑩フェイジョア
- グァバの仲間であるフトモモ科の植物.
- 別名パイナップルグァバ.
発展編
a.サルトリイバラ
- 紅色の丸い実をつけます.種子は黄褐色.
- 名前はトゲがあって猿が引っかかるということから猿捕りいばら(サルトリイバラ)というのが由来です.
- 西日本では柏餅を包む葉に使われています.また,根茎は民間薬になるといわれています.
b.ナツハゼ
- 熟すと黒い実ができます.
- ツツジの仲間.ツツジの仲間で果実が食べられるものにはブルーベリーなどが挙げられます.
c.ウメモドキ
- 名前には梅がつくものの梅の仲間ではありません.モチノキの仲間
- 6月ころにうすい紫色の花を咲かせます.
- 秋ごろから冬にかけて真っ赤な実をつけます.
d.イロハモミジ
- 翼果をつけます.(風によって散布されます.)
- カエデという呼び方は蛙手から来ています.
- モミジと呼ぶのは紅葉が他のものより優れていることからです.
- 7裂する葉をイ,ロ,ハ,ニ...と7つ数えたからイロハモミジの名がつきました.
- 元々カエデ科に属していたが分類体系が新エングラー体系からAPG体系に変わって,ムクロジ科になりました.
e.ケンポナシ
- 核果は球形.
- 冬の初めに花序の枝が肉質に太くなり,甘い.
- 広島県では天然記念物に指定されているものもありますが,自生ではありません.
f.クリ
- 堅果は1から3つ集まって,トゲのある総苞に包まれています.
- 名前の由来は黒実,クロミから来ています.
- 葉はクヌギに似ているが鋸歯の先端が緑色という点で区別するころができます.
g.ムクロジ
- 実は黄色く,種は黒色.
- 種は羽根つきの球に使われていました.
- 果実の皮からは石鹼になるような成分がでており,水にいれて振ると泡立ちます.
h.エノキ
- エノキの名前の由来は不明.
- 実は橙色に熟して食べられます.
i.センダン
- 街路樹や公園樹,庭木として植栽されています.
- 材は建築用装飾や家具,器具用材,下駄などに用いられることもあります.
- 果実や樹皮,根皮を漢方で用いる.葉にも除虫効果があり,かつては除虫にも用いられていました.
- 和名は,果実が落葉後も残り,数珠玉に例え,センダマ(千珠)とされたことから.あるいは,種子を数珠に利用することに由来するとも言われています.
j.カイノキ
- ウルシの仲間です.
- 孔子と縁が深く,中国山東省曲阜にある孔子廟(こうしびょう)に植えられている木として有名で,「学問」の聖木とされいています.
挑戦編
堅果とはどんぐりのことで殻斗とはどんぐりの帽子の部分のことです.
A.アラカシ
- 球状楕円形の堅果をつけます.
- 殻斗はおわん型で,外側は横輪模様になっています.
- 広島県の山でよく見かけます.
- 材の利用は様々にわたり,木炭に適しています.
- 枝や葉が粗いことからアラカシとなったと,推測されます.
- カシの由来は堅木で樫と読ませることから.
B.シラカシ
- 堅果は広楕円形.
- 殻斗は浅いおわん型で,外側は横輪模様になっています.
- 名前の由来は白かしで,材が白いことから来ています.
- 広島大学理学部のシンボルツリー.
C.アベマキ
- 球形の堅果をつける.堅果のみではクヌギと見分けることは困難.
- 殻斗は大型でおわん型,線形の長い鱗片が密生してます.
- クヌギと見分けるには葉の裏の毛の有無や,樹皮が参考になります.
- アベマキの「アベ」は岡山県の方言である「アバタ」から来ており,樹皮のコルク層発達による凹凸からつけられました.
- 広島県ではアベマキが自生しています.
D.マテバシイ
- 堅果は堅く,長楕円形もしくは楕円形.
- 翌年の秋に熟します.
- 殻斗(どんぐりの帽子の部分)は皿状で鱗片は瓦状に並びます.
- 種子は食べることができるが味は良くありません.
- マテバシイという名前の「マテ」は九州の方言で意味は不明.
E.コナラ
- 楕円形もしくは円柱状の楕円形の堅果をつけます.
- 殻斗は皿状で,縁は薄ですい.
- 葉の特徴は先端寄りで最大の幅になることです.
F.スダジイ
- 円錐状卵形の堅果をつけます.
- 表面に横線上に並んだ小さな突起がある総苞が堅果を包んでます.
- 白色の子葉をもった種子は食用になります.
- スダジイの「スダ」の由来は不明.
- よく似た種にツブラジイ(コジイ)があるが,ツブラジイの方が葉が薄いです.
G.クヌギ
- 球形の堅果をつけます.
- 殻斗は大型でおわん型,線形の長い鱗片が密生しています.
- アベマキの葉よりやや細いです.
- 名前の由来は国木から.
- 広島県に自生はないと思われます.
H.ナラガシワ
- 楕円形の堅果をつけます.
- 殻斗はおわん型で,縁は厚く,外側に小鱗片が接着しています.
I.ウバメガシ
- 楕円形または紡錘状楕円形で先端がとがった堅果をつけます.
- 果実は食べることができます.
- 殻斗(どんぐりの帽子の部分)はおわん型で縁は薄く,瓦状の鱗片が重なった形をしています.
- とても材が堅いため備長炭の材に用いられます.
J.オキナワウラジロガシ
- 日本で最大のドングリです.
- 沖縄県に自生しており,広島県には自生していません.
- 東広島植物園では大温室に植栽されていますが,まだドングリはなりません.
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