東広島キャンパスの生き物/過去のニュース/2022
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2022年の東広島キャンパスの生き物
キャンパスで見られる生き物の2022年の情報です.写真や名前をクリックすると解説ページに移動します.解説ページの写真はクリックすると拡大します.
2022
12月
- 2022.12.08 東広島キャンパスで冬に見られる蛾が灯りに飛来していました.ナカオビアキナミシャクとカバエダシャクは晩秋から初冬にかけて見られます.クロオビフユナミシャクとチャバネフユエダシャクはオスは退化していないので飛ぶことができますが,メスは翅が退化しており飛ぶことができず,手すりや枝の上でフェロモンを放出してオスを誘引します.
11月
- 2022.11.01-10 ヤマシギが今年もキャンパスにやってきました.夜行性で,ハトよりも少し大きい程度のシギのなかまです.冬の夜間,芝生の上などで見られます.
10月
- 2022.10.25-31 キャンパスやその周辺でヘビの幼蛇が見られました。ジムグリの幼蛇は赤地に黒の斑点が特徴的で,派手な見た目をしていますが無毒のヘビです.ニホンマムシは毒蛇として有名で,気づかずに踏んで咬まれることが多いので,水辺の草地などを歩く際はご注意ください.
- 2022.10.17 キャンパス内で,セグロイナゴが見られました.セグロイナゴは土地改変などにより近年激減しており,今回の広島県のRDBの改訂で準絶滅危惧(NT)に選定されました.またキャンパス内やその周辺でクスサンが見られました.
9月
- 2022.09.16 キャンパス内で,オオカマキリとツバメシジミが出現しています.類似したオオカマキリとチョウセンカマキリの見分け方はこちら.
8月
- 2022.08.22 キャンパス内で,スズムシなどの秋の虫の鳴き声が聞かれます.
7月
シラカシの樹液を吸うコムラサキの成虫(オス)(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 27, 2022)
モンスズメバチ(右)を追い払うオオスズメバチ(左).(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jul. 21, 2022)
- 長引く雨の影響で大型のキノコがよく見られます.白いサッカーボール大のオニフスベや,テングタケ科のハマクサギタマゴタケ,ハイカグラテングタケなどが見られました.
- 2022.07.01 東広島キャンパスRI総合実験棟でのアブラコウモリの写真と情報が寄せられました.過去に標本の拾得や,逸見ほか(2018)の「広島大学東広島キャンパスの哺乳類相」での報告がありましたが,生態写真は珍しいです.
6月
- 2022.06.24 ゲンジボタルの見頃がピークを過ぎました.皆さんはホタルの雌雄の違いをご存知でしょうか.実はホタルはオスだけではなくメスも発光するので,「光らないからメスである」というのは誤りです.ホタルが発光するのはお腹の節の末端部ですが,これが二節であればオスで,一節のみであればメスだとわかります.
- 2022.06.22 ハルゼミと入れ替わるようにして,ニイニイゼミが鳴き始めました.梅雨から初夏にかけてよく見られる灰褐色の小さなセミです.桜の木などの比較的低い場所に止まり「チィーーー」と長く鳴きますが,体色が樹皮と同化して声は聞こえるのになかなか姿が見つからない,ということもあります.
- 2022.06.01-10 アリと,アリに似た生き物を紹介します.ハリブトシリアゲアリが孵化したばかりのオオカマキリの幼虫を襲っていました.成虫はあらゆる昆虫を捕食するカマキリも,幼虫の頃は様々な生き物の餌になっています.
ヤサアリグモはアリのようなクモ,アリグモの仲間です.ササの葉の上を素早く歩き回っている姿がよく見られます.ヒメカマキリの幼虫は,一番若い時期はアリのように全身真っ黒でツヤのある見た目をしています.このようなアリに似た生き物はほかにホソヘリカメムシやアリモドキなどがいます.
孵化直後のオオカマキリを襲うハリブトシリアゲアリの働きアリ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jun. 1, 2022)
ソヨゴの蜜を吸うウラナミアカシジミの成虫.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, May 31, 2022)
5月
- 2022.05.07-10 甲虫はとても多様性に富む昆虫のグループで,美しく,面白い,色や形をしたものが多く見られます.ハラグロオオテントウは文字通り全長が12 mm以上もある巨大なテントウムシで,今年は各地での目撃情報が多いようです.アカガネサルハムシはタマムシ色の美しいハムシで,ノブドウやエビヅルなどのブドウ類に見られます.タケトゲハムシはびっしりとトゲの生えた見た目をしており、ウスバザサなどの上にまれに見られます.
4月
- 2022.04.23-28 キャンパス内のキノコが生えている倒木に,虹色の斑紋をもった甲虫が見られることがあります.その多くはニジゴミムシダマシや,それに近縁なナガニジゴミムシダマシ類です.ニジゴミムシダマシはテントウムシのように丸い体型のゴミムシダマシで,公園や草地などの身近な環境に見られます.一方,長細いオオナガニジゴミムシダマシやフトナガニジゴミムシダマシは,森林の中にある倒木や立ち枯れで見ることができます.
- 2022.04.01-15 枯葉に擬態するような形態をもつ,ガやチョウが見られました.エゾヨツメはヤママユガ科に属するガですが,大型のガが多いこの科にしては小柄で,翅を閉じてとまるという珍しい特徴があります.そのため,樹木の枝先にとまっているとまるで垂れ下がった枯葉のように見えます.アケビコノハも同様に枯葉そのもののような外見をしており,注目して探さなければとまっているものを見つけ出すことは困難です.一方で,両者は共通して翅の表側の普段見えない部分に,動物の眼のような派手な模様をもっています.仮に天敵の鳥類などに見つけ出されたとしても,翅を開いて威嚇することで助かる可能性を上げることができると考えられています.他にも,アケビコノハと同じエグリバの仲間アカエグリバや,薄暗い林を好むクロコノマチョウをはじめ,枯葉擬態の生き物は東広島キャンパスに多く生息しています.目を凝らして彼らを探してみるのもまた一興です.
- この時期ならではの魅力的な昆虫たちも多く見られました.
2-3月
- 2022.03.08 東広島キャンパスで多くのツグミ類を観察することができました.トラツグミはたくさんの黒い三日月状の斑紋が入る大型のツグミで,林縁部の芝地などで見ることができます.ツグミとその亜種ハチジョウツグミは,明るい芝生などでピョンピョン跳ねています.
シロハラとアカハラは林縁部で落ち葉をガサガサとめくって餌となる昆虫を探しています.それらのツグミ類を狙い,ハイタカが姿を現すことがあります.
ハイタカ.シロハラの捕獲に失敗した.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Mar. 3, 2022)
1月
- 2022.01.26 東広島キャンパス内のビオトープでニホンアカガエルの産卵が始まりました.明るい時間でしたが周囲には鳴き声が響き渡り,既に卵塊も確認されました.アカガエル属の見分けはこちら.
- 2022.01.14 ハヤブサ科のハヤブサとチョウゲンボウは,近年都市部において建物などの建築物を利用して営巣するようになっています.したがってキャンパスにおいても学部棟や本部棟が,彼らの休息場所として利用されていることがあります.
トウネズミモチにはツグミやヒヨドリが採餌のために集まっていました.
トウネズミモチの実を食べるツグミ.(広島県東広島市鏡山; 撮影: 南葉錬志郎, Jan. 14, 2022)
- 2022.01.06 あけましておめでとうございます.
冬に繁殖をする蛾を観察することができました.クロオビフユナミシャクとシロオビフユシャクはそれぞれメスの翅が退化している「冬尺蛾」と呼ばれる種類です.メスは手すりや樹幹などでフェロモンを出し,飛翔するオスを引き寄せます(それぞれの種のオスの姿は,個別のページにおいて写真で見ることができます).ウスズミカレハはカレハガ科の蛾で,和名が指すように薄墨色をした蛾です.
過去のニュース
過去のニュースはこちら.
- 2022年の東広島キャンパスの生き物
- 2021年の東広島キャンパスの生き物(下半期)
- 2021年の東広島キャンパスの生き物(上半期)
- 2020年の東広島キャンパスの生き物(下半期)
- 2020年の東広島キャンパスの生き物(上半期)
- 2019年の東広島キャンパスの生き物
- 2018年の東広島キャンパスの生き物
- 2017年の東広島キャンパスの生き物
- 2016年の東広島キャンパスの生き物
関連ページ
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