東広島キャンパスから出土した遺物/山中池南遺跡第6地点

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縄文時代

縄文土器

縄文時代の遺物は調査区中央部の非常に浅い谷状地形を境に南北2ヶ所に分かれて分布していますが、縄文土器は調査区の北側に集中しています。いずれも小破片であるため文様を確認できない資料も多いのですが、回転押型文土器(かいてんおしがたもんどき)を主体としているようです。押型文土器は、山形文(写真上段および下段左端)と小粒の楕円文(写真下段、左端の1点を除く)が認められます。このほかに、無文土器(むもんどき)が出土しています。縄文時代早期中頃(約8000年前)に位置づけられます。

縄文時代の出土石器

縄文時代の石器の分布は、大きくは調査区北部と南部の2ヶ所に分かれますが、ほぼ調査区に分布しているといえます。調査区北部では製作の痕跡があまり顕著ではなく、調査区南部では石鏃を中心とする石器製作の痕跡が認められます。出土の石器は、石鏃(せきぞく、写真上・中段)、磨製石斧(写真下段左端)、石匙(いしさじ、写真下段中央)、石槍(いしやり)、石錐(いしきり、写真下段右上)、楔形石器(くさびがたせっき)、石核(せっかく、写真下段右下)などがあります。石鏃は基部の抉りが深いものと浅いものがあり、前者が主体ですが、後者の抉りの浅いものや抉りがなく直線的な基部を持つものが半数近くあります。石斧は破損品で、本体は欠損後も使用するため遺跡外に持ち出されています。石錐は石鏃の未製品を転用しているようです。

石器の石材はほとんどが安山岩(あんざんがん)ですが、黒曜石(島根県隠岐産、大分県姫島産)、流紋岩(りゅうもんがん)、水晶がわずかに利用されています。