山内・丸山・内田・向井・坪田・和崎 2015

提供: 広島大学デジタル自然史博物館 植物
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目次

山内ほか(2015)

  • 山内大輝・丸山隼人・内田慎治・向井誠二・坪田博美・和崎 淳. 2015. 日本産ヤマモガシ(ヤマモガシ科)のクラスター根の発見. 植物研究雑誌 90(2): 103–108.

要約

日本産ヤマモガシ(ヤマモガシ科)のクラスター根の発見

山内大輝a,丸山隼人b,内田慎治c,向井誠二c,坪田博美c,和崎 淳a,b:(90: 103-108)

クラスター根はリン欠乏条件で一部の植物が形成する試験管ブラシ状の特殊な形状の根で,表面積の増加や難利用性リンを可給化する物質の分泌によりリン吸収能を高めている.ヤマモガシ科植物はクラスター根を作ることが知られている種を多く含むが,これまでにクラスター根の形成について報告があるのはオーストラリアと南アフリカに分布する Banksia 属や Hakea 属が中心であった.本研究では,日本に存在する唯一のヤマモガシ科植物であるヤマモガシ Helicia cochinchinensis Lour. の自生地から得られた種子を播種した植栽木とその周辺に自然に生じた実生を対象に調査を行い,本種もまたクラスター根を形成することを見いだした.また,本種の形成したクラスター根の根圏において,非根圏よりも土壌 pH が低く,酸性ホスファターゼ活性も高いことから,根圏土壌におけるリンの可給化にこのクラスター根が寄与していることが示唆された.

(a広島大学総合科学部, b広島大学大学院生物圏科学研究科, c広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所)

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