宮島の地質と地形 宮島の植物と自然

提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動

広島大学 > デジタル自然史博物館 > 宮島の植物と自然 > 目次 > 宮島の地質と地形

宮島の地質と地形

宮島の地質・地形と植生

 宮島の母岩(ぼがん)は,そのほとんどが花崗岩(かこうがん)です.花崗岩は,石英(せきえい)と長石(ちょうせき)を主成分とし,固(かた)くて風化(ふうか)しやすい岩石です.浸食(しんしょく)や洗掘(せんくつ)を受けやすく,深層風化(しんそうふうか)した花崗岩地域は斜面崩壊(しゃめんほうかい)が発生しやすいという特徴(とくちょう)もあります.例えば,最近では,2005(平成17)年9月に白糸川(しらいとがわ)の上流(じょうりゅう)で土石流(どせきりゅう)が発生していますが,同じような土石流は,過去にも島内の各地で起こった跡(あと)が残っています.また,土石流のような大規模な攪乱(かくらん)がなければ成立しない植生もあります.


 花崗岩が風化してできる土を真砂土(まさつち)といいます.土地は土壌(どじょう)がなかなか発達せず,貧栄養(ひんえいよう)のため痩(や)せていて,保水性(ほすいせい)に乏(とぼ)しい土地になります.安定した植生になるまで長い年月を要(よう)します.はじめはコシダが優占(ゆうせん)し,次にアカマツ林が成立し,次第に常緑樹林(じょうりょくじゅりん)へと遷移(せんい)していきます.

宮島自然植物実験所の位置

 広島大学大学院理学研究科(りがくけんきゅうか)附属(ふぞく)宮島自然植物実験所は,室浜(むろはま)という場所にあります.宮島水族館のそばにある大元公園(おおもとこうえん)から,約4 kmの位置にある室浜まで,途中にある多々良(たたら)を経由(けいゆ)して,海岸沿(ぞ)いに観察路(かんさつろ)(道路)が続いています.観察路の両側の森林は,広島大学の敷地(しきち)であり,教育・研究のため公開されています.

  • 花崗岩は御影石(みかげいし)とも呼ばれる深成岩(しんせいがん).宮島から南東へ約25 kmにある倉橋島(くらはしじま)産の石は国会議事堂の外壁(がいへき)にも使われています.
  • 花崗岩地域の水は軟水(なんすい)で,透明度(とうめいど)が高い傾向があります.

「宮島の植物と自然」内のページ

「宮島の植物と自然」(広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所 2009)内で掲載されているページ.

  • 10-11 pp.

文献(引用)


広島大学 > デジタル自然史博物館 > 宮島の植物と自然 > 目次 > 宮島の地質と地形