子どもデジタル博物館/自由研究

提供: 広島大学デジタル博物館
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自由研究(じゆうけんきゅう)

  • 夏休みの自由研究でおさえておくべき点・注意事項などのメモです.

自由研究の基本

  • 観察すること,観察結果を記録すること,記録した内容をまとめることが基本です.
  • 観察するテーマは,身の回りの出来事や生活の中で自分で見つけたこと,不思議だと思ったこと,他の人から教えてもらったことなどなんでも構いません.
  • 賞をもらうことが目標ではありません.自分が調べてまとめることが本来の目的です.

自由研究の流れ・進め方

  1. テーマの設定と計画立案
  2. 調べる・作製する
  3. まとめる・発表する
  4. フィードバックする

テーマの設定

  • テーマ,つまり自分で調べる内容を決める.
  • 身の回りで不思議に思ったこと,学習の過程で疑問に思ったことなど.
    • 日頃から身の回りを観察する.
    • 不思議に思ったことを書き留めておく.身近な現象・事象で十分テーマ設定可能.不思議に思ったことを思い出すことが難しい場合があるので,普段から記録しておくとより良いでしょう.
    • 観察する癖・調べる癖・考える癖を身につけるような指導ができればより望ましい.
    • 当たり前のことを当たり前だけで終わらせない.
    • 子供が不思議に思ったことが大切であるが,現実的にある程度解決可能なテーマの方が望ましい.

きっかけ

  • 他人から意見を聞いたり一緒に考えたり,博物館や観察会に行くことで普段とは異なる視点で物事を観察したりしても良いでしょう.
    • イベントへ参加する
      • 地元の博物館・水族館・植物園や大学などの開催する夏休みのイベントに参加する
      • 夏休みは自由研究を意識したイベントも多い
    • 学校の理科の先生や理科に通じた人に相談
      • 博物館などに相談
      • リタイアした先生やボランティア
    • 地元の大学で理科教育に理解がある研究室に相談
      • 教育学部や理学部,工学部のある大学のWebサイトで確認

情報収集・探求

  • 情報収集はかたよりがないように注意する.思い込みで情報収集を行わないようにする.
    • 図書館やインターネットを使って情報収集を行う.インターネット上には不正確な情報も多く存在することを念頭におく.
      • 公的な機関の出す情報
      • その分野の専門家の出す情報
      • 専門家が書いた本や解説など
  • 探求した結果は一旦まとめて,学校の先生や専門家などその内容に詳しい人に確認してもらう.
    • 博物館などの相談窓口や図書館のリファレンスサービスなどもあるが,まずは自分で調べること

テーマの例

  • 雲の変化・星の動き〜天気の変化,天体観測など
  • メダカの観察
  • 植物の観察〜季節変化,生長,開花など
  • 昆虫の観察〜食べ物・食草,生息環境,成長など
  • 電池や装置の作製

見方・考え方

見方

  • さまざまな見方でみてみましょう.
    • 全体をみる/細かいところをみる/時間に沿ってみる
    • 全体のしくみをみる/全体をつくるパーツをみる/細かいパーツをみる
    • 重なった部分や直接みえない部分をみる
    • 自分の視点でみる/説明する相手の視点でみる/第三者の視点でみる

考え方

  • 自分ひとりで考える/相手と相談して考える
  • ○○さん・××先生だったらどう考えるか.
  • 歴史上の人物はどう考えたか.
  • フローチャート(プログラム)でどのように表現できるか

計画立案と実施

  • 研究の計画を考える.
    • どのような項目を調べたり,作製するか,テーマに対して何をすべきか計画を立てる.
  • 計画の実施
    • 計画にもとづいて,実際に調べたり,作製したりする.
    • 計画の立案とその実施は関連性が高い.実施の結果から,計画を変更する場合もある.

計画立案

  • 研究の計画をたてる.
    • 何について調べるのか.調べる対象の設定.
      • 色,形,大きさ,数,種類,場所など
    • 調べる方法
      • 観察方法,実験方法,時間帯,頻度(回数),場所など
    • 準備
      • 調べる対象や方法から,何を準備すべきか考える.
      • 場所,時間,使うもの(装置,持ち物,筆記用具),記録するものなど
    • データの整理
      • レポート用紙,方眼用紙,計算機,PCなど

準備

記録

  • ノートやカード,記録用紙などを用意しておく.
    • 観察した内容や実験内容とその結果を,文やスケッチ,模式図などを使って記録する.
    • 後で確認できるように,できるだけ詳細に記録しておく.
    • その日の天気や気温などを記録しておく.
    • 工夫した内容や気付き,見つけたことなども一緒に記録しておく.
  • 測定装置(ものさし,ノギス,巻尺,温度計,キッチンはかり,電子天秤など)
    • 最近は非接触型温度計なども入手が容易になっています.
  • ピンセット
  • その他(100均などで入手可能なものでも工夫次第で利用できるものがあります.)

まとめ

  • A4の厚めのコピー用紙などを利用
    • 250~120 gsm程度(低学年では厚めが便利)
  • カラーシール(8 mmまたは5 mm径のもの,複数の色)
  • 鉛筆や色鉛筆,ボールペン,油性マジックなど
  • ピンセット
  • その他(100均などで入手可能なものでも工夫次第で利用できるものがあります.)

記録のとり方

観察記録

  • スケッチや写真撮影
  • 時間経過や前後軸を意識する
  • 数字で表現できるところは数字で記録する

標本づくり

  • 必要に応じて標本をつくる(証拠標本)
  • 参照ページ:標本作製方法

はかり方

  • ものさしやはかりの使い方
  • 有効数字

まとめる・発表する

  • 全体を構想するのが重要.
  • 記録を整理して,何が言えるのか結果や考察をまとめる.
  • 発表を想定して,図表を作成したり,文章を考える.
  • 書く順番にも配慮すると書きやすくなる場合もあります.

まとめ方

  • 図や表をつくりましょう.
  • 写真などこまめに撮影しておきましょう.
  • 音声や動画なども利用しても構いません.
  • 参考にした本などは「参考文献」または本文中で引用することで「引用文献」としてまとめておきましょう.

構成(フォーマット)

  1. 表紙:タイトルや氏名,所属など
  2. はじめに:研究に至った経緯(調べようと思ったわけ),背景,問題提起,疑問点,自由研究として到達したい点,調べること
  3. 準備するもの
  4. やり方(方法):他者が再現できるように,できるだけ詳細に記録しておく.提出するものは,その概略も作成するとわかりやすい.
  5. 分かったこと(結果・記録):観察や実験の結果からわかったこと,それをまとめて理解しやすくした表や図、調べてわかったこと・発見
  6. 考えられること(考察):結果にもとづいて考えられること.結果とは区別する.
  7. 研究の感想
  8. 参考にしたもの(引用文献,インターネットリソース)

文章

  • 自分の言葉で書く.
  • 第三者が読んで理解できるように説明する.
  • 数年後の自分が読んでも理解できるようにしておく.
  • 必要に応じて適切に引用する.

図表

  • 効果的な図表の使い方を考える.
  • 図や表を効果的に使えば,伝えたい内容がわかりやすくなる場合があります.
    • 図表を単に示すだけでなく,それで何がいえるのか端的にまとめるましょう.
    • 図のうち,グラフは折れ線グラフや棒グラフなどで表すと変化や比較がわかりやすくなります.
    • グラフは縦軸・横軸の単位を表示してください.

工夫

  • まとめる際に,各段階に分け,できるだけ単純に進めること.
    • カラーシールなどを使うことで,単純かつ見た目も整って整理できます.
  • PCを使ってデータ整理してもかまいませんが,生データは手書きで記録してください.また,入力した生データは必ず残しておいてください.

発表

  • 研究者は論文や学会などで発表する.
  • 生徒向けの発表会などに参加したり,発表会を開催する.

発表する場合

  • 事前に,何を伝えたいのか,説明の内容や順番を練っておく
    • 何を一番伝えたいのか.できればひと言で説明する.
    • 説明の順番を考えて,うまく伝わるように
    • 図表などを活用して,内容がわかりやすくなるように工夫する
  • 背景(研究のきっかけ,調べたい内容,先行研究,目的,何をどこまで),方法,結果,考察,まとめ
    • 文献(参考にした文献,引用文献),インターネットリソース,素データ,関連展示など

発表を聞く場合

  • 何を目的にしているか,どのような方法をとっているか
    • 発表を聞いて疑問に思った点,面白いと思った点などを記録しながら聞く
  • 自分であればどのような方法をとるか
    • 疑問に思ったことなど質問する
    • 自分の研究との比較

フィードバックする

  • テーマや計画を見返して,自分の研究から考えましょう.
    • どこまでわかったか,何がわからなかったか
    • 設定に改善すべき点はなかったか,改善すべき点があれば何を完全すべきか
    • 次回似たようなことを研究する場合に,気をつけたり工夫すべき点はないか
      • 条件をどのように変えるか
    • 研究を進める過程で,失敗した点や成功した点,予想していなかった点などを考えよう
  • 研究を通じて得られた内容を,新しいことにつなげたり,役立てたり,他人に伝えたりする.
    • 発表することでフィードバックが可能に

注意する点

  • 法律を遵守する.
  • 観察する生物に与える影響を最小限にする.

様式など

  • 上記フォーマットに従う

参考になるもの

  • 理科の教科書の自由研究の項

参考文献

参考になるページ

インターネットリソース


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