太田川放水路の塩生植物群落

提供: 広島大学デジタル博物館
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太田川放水路の塩生植物群落

太田川放水路の両岸にはハマサジフクドハママツナなどの満潮の時には海水に浸かる塩生植物群落がまとまって見られます.全国の県庁所在地でこのような群落は例がなく,広島県内でも希で宮島,倉敷島,福山市等で僅かに存在しているのみです.ハマサジは日本,朝鮮半島,中国の海岸の砂地にはえる二年草で,秋,小さな多数の黄色の花を開きます.葉の形がスプーンに似ていることからこう呼ばれています.フクドは近畿以西の本州,四国,九州及び朝鮮半島に分布し,海に注ぐ河口の泥地に多数群生し,越年草で香気がありヨモギの仲間です.ハママツナは宮城県以西に見られる一年草で,北半球の海岸に広く分布します.葉は肉質で晩秋に美しく紅葉します.この塩生植物群落は,広島市の希少な植物群落として,「広島市の動植物―広島市希少生物分布調査報告―(広島市の文化財第39集)」(広島市教育委員会編 1988)に記載されています.

現地の看板より(2018年12月16日確認,誤字一部修正)