タヌキモ類の見分け方
提供: 広島大学デジタル博物館
ナビゲーションに移動検索に移動ヒメタヌキモ・コタヌキモ・イトタヌキモ類の見分け方
ヒメタヌキモ・コタヌキモ・イトタヌキモ類は酷似するタヌキモ属の三種であるが,次のような特徴から見分けることができる.
- ヒメタヌキモ
- 水中葉は多数分岐し, 鋸歯はない. 細かな捕虫嚢が複数個付く. 水中葉は扁平な場合とそうでない場合がある.
- 地中茎が発達ている. 白色透明な地中茎に大型の捕虫嚢が複数個付き, 水中葉のような葉はつかない.
- 水深がある場所に多く生育するが浅瀬でもまれに確認できる.
- 冬芽(殖芽)は緑と茶色のものがあり, どちらも巻き付けたような見た目をしている.
- 花はクリーム色で, 上唇花があまり発達していない.花期は7-10月.
- コタヌキモ
- イトタヌキモ類
- 水中葉は細く2-4分岐が基本である. 基部に大きな捕虫嚢がつき先の分岐に小さな捕虫嚢がつく. 葉は扁平にはならない.
- 地中茎は発達しないが, マット群落を形成した際日が当たらない部分は白色透明になる.
- 水面にマット群落を形成するように生成している, 浅瀬で匍匐して生育している場合もある.
- 冬芽(殖芽)は形成せず植物体または種子で越冬する.
- 外来のオオバナイトタヌキモの花は5mm-10mm, 稀に20㎜の時がある. 距が発達し下唇花のしたから垣間見える.
- 在来のイトタヌキモ(ミカワタヌキモ)の花は1mm-3mmほどと小さく, 花の形態はノタヌキモに酷似する.
- イトタヌキモ同士の識別は非常に困難であり花の形態を観察することで識別が可能となる.
分岐の違い
地中茎
花
冬芽(殖芽)
イヌタヌキモ・ノタヌキモ類の見分け方
イヌタヌキモ, ノタヌキモは酷似するタヌキモ属の二種であるが,次のような特徴から見分けることができる.
- イヌタヌキモ
- 分岐が2本で, 葉と捕虫嚢が平面的につく.
- 多年草で冬は冬芽(殖芽)を形成し越冬する.
- 花は淡黄色で下唇花は扇形である.
- ノタヌキモ
- 分岐が3本で, 葉と捕虫嚢が立体的につく.
- 日本では1年草で, 種子で越冬する. 熱帯地方では多年草として生息する場所もある.
- 花は薄黄色で下唇花は楕円型である.
イヌタヌキモとノタヌキモ
- 分岐の違い
- 葉の形態の違い
- 花の違い
- 冬芽(殖芽)
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