キシツツジ

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キシツツジ(広島県広島市安佐北区毛木; 撮影: 垰田 宏, Mar. 21, 2010)
キシツツジの花(植栽)(広島県東広島市鏡山 東広島植物園; 撮影: 池田誠慈, Apr. 16, 2020)

キシツツジ Rhododendron ripense Makino

シノニム

その他

分類

維管束植物門 Tracheophyta > 種子植物亜門 Spermatophytina > 被子植物上綱 Angiospermae > モクレン綱(双子葉植物綱) Magnoliopsida > キク上目 Asteranae > ツツジ目 Ericales > ツツジ科 Ericaceae > ツツジ属 Rhododendron

旧分類

種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > ツツジ科 Ericaceae > ツツジ属 Rhododendron

解説

  • 広島県では個体数も多く,園芸種のヒラドツツジなどに似ているためか,乱獲されるようなこともない.しかし,小瀬川水系の弥栄ダム,太田川水系の温井ダム,芦田川の八田原ダムなどの建設によって多数の個体群が水没してしまった.
  • 本種は根を岩の間に深く張っているので,移植は困難である.
  • モチツツジは本種によく似ているが,雄しべが5本(キシツツジは10本)である.
  • 広島県からは,まだ,モチツツジの自生は見つかっていない.

花期

  • 5月上旬に開花し,淡紅紫色で美しい.

分布・産地・天然記念物

分布

  • 本種は四国と岡山県以西の中国,大分県の一部に知られ,その分布域が狭く貴重種である.
  • 広島県では,芦田川,江の川,太田川,小瀬川など,大きな河川の川岸で,増水時には水に浸かるような岩上に生育し,ネコヤナギやカワラハンノキの生育域よりは上位に位置することが多い.三次盆地の周辺では山地の森林中にも生育し,大土山の山頂800 mまで分布している.

産地

  • 中井・小泉(1922)は「安藝」と産地を挙げている.

天然記念物

標本

  • 小瀬川水系:佐伯町津田(km-4466),大竹市弥栄峡(rn-10123).太田川水系:吉和村立岩(yy-10255),戸河内町平見谷(ts-200),滝山峡(yy-6272),豊平町長笹口(ts-961105),広島市宇賀峡(yw-858).黒瀬川水系:呉市二級峡(mt-8363).高梁川水系:神石町草木長者原(yy-10123),油木町阿下川(hh-7311).沼田川水系:福富町鰐渕(mt-16080),大和町津久(yy-11412),河内町深山峡(rn-7667),本郷町免開(yy-7058).江の川水系:神之瀬峡(mt-17652),口和町竹地谷(yy-12338),総領町下領家(mt-12034),吉舎町知和谷(kk-1042),三良坂町矢田(kk-1293),世羅西町黒川(ns-1937),三次市風土記の丘(mt-12075),甲田町吉田口(yy-7737),向原町大土山(mt-15441).芦田川水系:府中市落合(yy-9876),甲山町八田原(yy-10046)

慣用名・英名・広島県方言

慣用名

英名

広島県方言

備考

  • 広島県RDBカテゴリ(2011):準絶滅危惧(NT)
  • 広島県RDBカテゴリ(2021):対象から除外
  • 環境庁コード: 41910
  • 県RDB

文献(出典)

引用文献

  • 中井猛之進・小泉源一.1922. 大日本樹木誌 巻之壱.511 pp. + 28 pp. 成美堂書店,東京.

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