オオモミジ
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オオモミジ Acer palmatum Thunb. var. amoenum (Carr.) Ohwi
シノニム
その他
分類
種子植物門 Spermatophyta > 被子植物亜門 Angiospermae > 双子葉植物綱 Dicotyledoneae > カエデ科 Aceraceae > カエデ属 Acer
解説
- 広島県で紅葉の名所である三段峡や帝釈峡の紅葉の主体をなすのはオオモミジである.
- これまで,広島県からヤマモミジ[var. matsumurae (Koidz.) Makino]と報告されたもの(堀川ほか 1959,山下 1988など)はオオモミジである(広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会 1997).
- ミヤジマカエデ[Acer palmatum Thunb. var. matsumurae (Koidz.) Makino f. miyajimense (Nakai) Hara]は,1913年,宮島にエングラーを案内した早田文蔵が採集した標本に基いて中井猛之進によって発表された.この基準標本に近いものは,宮島で1本見いだしているが,自生かどうか疑問がある.早田は,多分,植栽されたものを採集したのではなかろうかと考えられる.
- 奥山(1974)はミヤジマカエデをオオモミジ系としているが,基準標本を見ると,葉の裂片の幅が広く,葉縁の欠刻も浅くて,オオモミジ系と思われる.
- ミヤジマカエデをヤマモミジ系と見るならば,葉縁の欠刻の浅い変種あるいは品種と見なされるが,オオモミジ系と見なせば,とくに特徴のある型ではない.
花期
分布・産地・天然記念物
分布
- 吉備高原面から中国山地に分布し,渓谷に多い.
産地
天然記念物
標本
- 湯来町恵下(yy-5696),芸北町東八幡原(yy-6032),高野町新市(yy-6092),広島市南原峡(nk-89035),高宮町下式敷(mt-8962),女亀山(mt-9347),吉和村十方林道(ht-83551),府中町水分峡(mt-10874),猿政山(mt-12888),佐伯町栗栖(km-5167),廿日市市佐方(mt-35105),三良坂町灰塚(kk-755),比婆山(yy-1284),神之瀬峡(yw-11723),東城町森(hn-1358),口和町常定(hn-545)
- 庄原市西城町猫山(HIRO-MY-109328 [Det. by T. Seki])
慣用名・英名・広島県方言
慣用名
英名
広島県方言
備考
- 環境庁コード: 32720
文献(出典)
- 堀川ほか(1959),河毛(1974),関ほか(1975),山下(1977),土井(1983),広島大学理学部附属宮島自然植物実験所・比婆科学教育振興会(1997)
引用文献
- 堀川芳雄・鈴木兵ニ・安藤久次・中西 哲.1959. 三段峡・八幡高原及びその周辺地域所産高等植物目録.広島県教育員会編,三段峡と八幡高原総合学術調査報告.pp. 195-224, pls. 1-3. 広島県教育員会,広島.
- 奥山春季.1974. 採集検索日本植物ハンドブック.788 pp. 八坂書房,東京.
- 山下 輝.1988. 広島県帝釈峡の植物.帝釈峡の自然刊行会編,帝釈峡の自然.pp. 147-188. 帝釈峡の自然刊行会,広島.
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