当館の概要

広島大学総合博物館について

広島大学総合博物館は、平成18年4月1日に発足しました。
下記の目的を掲げ、全学横断的な組織として日々活動しています。

目的

総合博物館は、広島大学に所蔵する学術標本資料の調査・収集、保存・管理を行い、それらの研究と展示、情報発信にあたることにより、広島大学の社会貢献や研究・教育の向上に資することを目的としています。

    1.学術標本資料の調査・収集、保存・管理
    2.学術標本資料およびそれに関わる研究成果の展示と情報発信
    3.学術標本資料等を用いた研究の推進
    4.博物館を活用した体験型・実証型教育の推進
    5.博物館を通じた社会連携の推進と社会的責務の遂行


構成と機能

総合博物館は、本館、サテライト館で構成され、本館を中心にこれらをネットワーク化させています。さらに、エコミュージアムの考え方を取り入れ、豊かな自然環境を有するキャンパス全体を広く含み込んだ博物館活動を、発見の小径などを中心に展開しています。このような大学博物館の構成は、全国的にみても新しいコンセプトを提示するものと言えます。なお、学術標本資料は、当面一部を除き集中保管せず、各部局で保管しています。

構成と機能


設立の経緯

 平成8年に学術審議会「ユニバーシティ・ミュージアムの設置について(報告)」がまとめられ、これにそって、東京大学、京都大学、東北大学、北海道大学、九州大学、名古屋大学、鹿児島大学、大阪大学に大学博物館が設置されました。広島大学も、この時期に博物館を設立すべく、概算要求を重ねましたが、実現に至りませんでした。ついに平成15年10月には、これまでの設置構想では実現の見込みなしと大学の執行部が判断し、設立準備委員会も解散しました。
 代わって、上記の第1世代の大学博物館とは異なる、いわば第2世代の新たな博物館の構想策定に入りました。その眼目は、学内措置により、人員、スペースともに小さな規模で発足し、実績を積みあげながら徐々に拡充を目指すというものでした。平成16年1月にはこの線に沿って新たな設置構想がまとめられ、大学運営戦略会議、教育研究評議会での了承を経て、17年4月に設立準備室が設けられました。その後1年の準備期間を経て、18年4月設置が実現しました。なお、広島大学には医学資料館がありますが、今のところ、本博物館と統合せず、二つの組織が併存する状態になっています。
 平成18年11月1日から、本博物館の中心的な施設として常設展示を行う本館を開館しました。教育学部の大講義室を改装して本館としたもので、展示室としては十分な広さではありませんが、広島大学の学術標本資料や研究活動を紹介する場になることをめざしています。化石の標本のほか、瀬戸内海から中国地方にいたる身近な地域の展示が充実しておりますので、小・中学校や高等学校の児童・生徒をはじめ、一般市民の方にも気軽に楽しんで頂けます。
 黒色の鋼板を使ったユニークな本館外装は、遠くからでも目立ちます。意匠建築学を専門とする本学教員岡河貢氏のデザインによるもので、その鋼板は福山市に工場のあるJFEスティールより寄贈して頂きました。博物館らしい落ち着いた雰囲気を醸し出しています。