わたしたちヒトでは,ふつうコケを食用にすることはない
"ふつう"でない例として,日本国内の登山者向けの山小屋で,ミズゴケが食膳にのぼる例がある程度であり,通常の食材としての利用はない.
ヒト以外の生物がコケを食べるという例が報告されている
トナカイが,ツンドラゴケを食用にしていることはよく知られているが,これは地衣類の仲間であり,植物学上のコケ植物には該当しない.
「アユ(鮎)がコケを食う」という場合の“コケ”も,植物学上のコケ植物ではなくて,その正体は水中の転石上に生育する藻類の珪藻の仲間である.
ほんとうにコケを食用にしている例として,鳥類について報告がある.
ニュージーランドのJ. Beever博士が,鳥類学者の観察結果を報告している(Byonet: Fri, 02 May 2003). 博士によると,kokako (Callaeas cinerea)が蘚類の凾常食にしているようである.
912例の観察の内,26例で蘚類の凾常食していた.2001/2002年の観察では,その鳥が好む維管束植物の果実がよく実った年で,217摂餌の内,3例で蘚類の凾食べていた.結実の悪かった翌年の観察では,178の内,6例で蘚類の凾食べていた.