コケの化石

日本で見つかっているコケの化石

藤岡一男・高橋英太郎氏は,山口県大嶺炭田萩嶺炭鉱の三畳紀の地層からHepaticites oishiiを記載・報告している.

この化石は,苔類のフタマタゴケMetzgeria属のなかまに類似する体制をもつもので,体は葉状で,幅3-4 mmで,数回二又分枝をし,明瞭に発達した中央脈(腹面にふくらみ,仮根がみられる)をもっている.

日本ではこのほかにMarchantites yabeiというゼニゴケ属のコケに類似の化石がジュラ紀〜下部白亜紀の地層からみつかっている.

Marchantites yabei (Thallites yabei).

白矢印の示すところに,中肋をもち二叉分枝する葉状体が黒く見える.

福井県大野郡和泉村後野の,手取層群(石徹白亜層群)伊月頁岩砂岩層から発掘された.この地層は,1億4千万年前(白亜紀初頭)の,おそらく河口付近の河川の氾濫原に堆積した地層と考えられる.山田敏弘氏(東京大学)採集.

引用文献

  • Fujioka, K. & Takahashi, E. (1973?) A Triassic hepatica from the Omine coal-field, southwest Honshu, Japan. 日本古生物学会報 89: ??-??.
  • 井上浩 1974. 日本最古のコケの化石.日本蘚苔類学会会報 1: 67.
  • 樋口正信.1984. 支笏湖畔の苔の洞門.日本蘚苔類学会会報 3: 168-169.
  • 中村俊彦 1976. 都市化指標としての蘚苔類.日本蘚苔類学会会報 1: 178-182.
  • 井上浩. 1972. 東北地方の苔庭.日本蘚苔類学会会報1: 27.

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