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シバナ
Scheuchzeriaceae ホロムイソウ科
Triglochin asiaticum (Kitagawa) A. Loe



2002/04/19 午後 12:49:30

 シバナとは塩場菜のつまったもので、塩場とは塩田のことである。満潮の時に海水に浸るような泥地に生えている目立たない草で、葉は柔らかく、食用になる。多々良潟でもシカが食べ尽くし現在は、多々良潟では絶滅した。
シバナのように、もとは陸上に生育していた植物が、ほかの植物との競争に敗れて、一般の植物が生育できない海中に逃げ込んだものを塩生植物という。
ちょうどクジラやイルカが陸上から海中の生活に適応したものと同じである。
近年、瀬戸内海の埋め立てが進むにつれて、シバナなどの塩生植物は急速に消え失せた。美しい花ではないが、こういう草も生えていることが、宮島の誇りの一つであったが、1974年頃は包ヶ浦、多々良潟、大江浦などにたくさんあったが、特にシカの食害によりわずか包ヶ浦自然公園内に2株のみ細々と残っているだけである。