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イヌガシ 
Lauraceae クスノキ科
 Neolitsea aciculata (Blume) Koidz.


雄花
雄花
雌花
果実

開花時期 3月上旬4月中旬
 宮島は太田川の川口にまともに一面しているので、冬はかなり冷え込む。「弥山おろし」と呼ばれるのも、太田川から中国山地の冷気が下ったものといわれている。北に面した谷は、とりわけしんしんと冷え込む。そんな林の中にも、よく見るとすでに春の動きが感ぜられる。それがイヌガシの花である。あずぎ色で常緑の葉の下に短い柄で群がって咲いている。雄株と雌株が別で、雄花はにぎやかな感じであるが、雌花はつつましい。果実は晩秋に黒く熟する。カシという名がついているが、イヌガシはクスノキの仲間で、シロダモによく似ている。琉球列島から太平洋岸にそって千葉県まで、日本海側では隠岐まで分布し、瀬戸内一海沿岸では少ない。宮島のようにイヌガシの多い島は、 瀬戸内海ではめずらしい。