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ハクセキレイ
(セキレイ科)


ハクセキレイ (セキレイ科)

 海岸や、川辺近くで尾を上下に振る、黒と白の2色の小鳥が見られます。これが、セキレイで、セグロセキレイとハクセキレイです。 セグロセキレイは、留鳥なので1年中見られます。繁殖もしていて、石垣の透き間などに営巣しています。これに対して、ハクセキレイは冬鳥で、秋に渡ってきます。宮島にも10月ごろには渡ってきて越冬します。1羽か2羽で、海岸近くで生活し「チュチュン、チュチィン」と鳴きながら波状に飛び、地上に降りて、歩きながら餌(えさ)を探しています。ハクセキレイの習性に、冬期ねぐらがあります。何百、何千羽と集まり、集団で橋の下などに寝るのです、広島市にもこの集団ねぐらがあり、夕方になるとどこからともなく集まり始めて、陽が落ちると集団で寝てしまいます。朝は、夜明け前にはそれぞれの採餌場所へ飛び去ります。 この広島のねぐらから、宮島に毎日採食にくるハクセキレイが確認されています。日本野鳥の会が、集団ねぐら調査のため、標識調査をしています。これは、各個体の足に2個のリングをつけて、放鳥しているのですが、このうちの1羽が、昨年と今年、包ヶ浦で観察され、宮島のハクセキレイが、広島の集団ねぐらから来ていることが分かったのです。 ハクセキレイは、北海道や、東北地方で繁殖をして、秋に越冬のために南下してくる冬鳥でしたが、近年、繁殖分布が南下確認され、留鳥として一年中生活するものが一部でてきています。


冬鳥として渡来する、10月に渡来して翌年4月には渡去する。海岸に多く公園など開けた場所を好む、朝方島に来て、夕方に広島方向へ去る。

(厳島の鳥を知る会 熊谷 美登/写真撮影 熊谷 美登)


この記事は1986年3月の広報みやじまに掲載されたものです