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シロチドリ
(チドリ科)

シロチドリ (チドリ科)

 日本では一年を通して見ることのできるチドリの仲間で、大きさはコチドリに次いで小さく、姿も習性もコチドリとよく似ています。 宮島でも近年は一年を通して見ることができますが、以前は冬鳥として、神社近くの海岸の砂浜や、室浜から須屋浦間の干がたに数羽から十数羽の小群を見ることができるだけでした。それが、意外にも多々良の干がたの埋め立てに伴い、繁殖期でもある4月から8月にかけても数番(つがい)が見られるようになってきました。これは海岸に続く広大な砂地が現出したと同様な結果となったからで、コチドリとシロチドリの産卵地を人工的に造成したことになりました。 しかし、現在も埋め立てが続いており、車の出入りも激しく安全な産卵地とはいえません。埋め立て終了後の利用計画を私は知りませんが、宮島の自然が減少しているこの時期、折角のチドリ、カワセミなど野鳥にとって良好な営巣地に成っている所なので、ミニ・バード・サンクチュアリーとして残ればと思われます。


神社の干潟で冬季数羽が観察されていたが、2000.5.31日室浜で2羽の巣立ちヒナを確認、以後大川、須屋浦でも営巣が確認された。

(厳島の鳥を知る会 熊谷 美登/写真撮影 熊谷 美登)


この記事は1984年9月の広報みやじまに掲載されたものです。