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コチドリ
 
(チドリ科)

コチドリ (チドリ科)

 夏鳥として4月初旬に渡ってくる小型のチドリで、宮島の浜辺にも普通に見ることができます。 渡ってくると浜辺の砂地に小さなくぼみを造り、地面に直接卵を産み付けます。卵数は4個で、円錐形の先の細い方を巣穴の中に向けて、外側が円くなるように並べて抱卵します。抱卵は雄、雌共同で行います。 ヒナは、生まれるとすぐに歩けるようになり巣をはなれます。親鳥はヒナを守るため擬傷行動を行います。これは、ヒナを守るため害敵(人間・犬・ヘビ等)が近づくと、親はあたかもケガをして飛べないかのようにして、ヒナや巣から遠くの方へ害敵をおびきよせ、安全な場所まで害敵がくるとパッと飛んで逃げてしまう行動です。
 このようにして、ヒナを守り育てながら共に浜辺で昆虫などを餌として生活し、秋まで過ごします。こうして繁殖をすませたコチドリも、秋深くなるころにはより暖かい南の方へ去っていきます。

夏鳥として4月初旬に渡来する、多々良や各浦々の浜辺で繁殖していたが、最近は遊漁船が道のない、浦の浜にも入り込み繁殖に影響がでている。まだ島全域の浜辺で見ることはできる。多々良、入浜.腰細、青海苔、大川、室浜で繁殖記録有り。

(厳島の鳥を知る会 熊谷 美登/写真撮影 熊谷 美登)


この記事は1984年7月の広報みやじまに掲載されたものです