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キビタキ
(ヒタキ科)

キビタキ (ヒタキ科)

 全長13.5cmとスズメより小さな鳥です。黒と黄色、それにだいだい色の三色がとても美しい野鳥で夏鳥として日本全国の低地から亜高山帯にかけての広葉樹林に渡ってきます。鳴き声もよく日本三鳴鳥といわれる、ウグイス・コマドリ・オオルリにもひけをとらない美声でさえずります。
 宮島にも4月中旬ごろに渡ってきて、公園から弥山山頂まで広く生息します。繁殖もしていて巣箱をかけるとよく利用します。普通は樹洞に枯れ葉や苔などで巣を作り、4〜6個産卵してメスが抱卵します。2週間くらいでヒナがふ化します。ヒナがふ化するとオスも育児に参加して、オス・メス共同でガの幼虫や、アブなどの昆虫を餌として与えます。この繁殖期には強いなわばりを持ち、他の鳥がなわばりに入ると激しく追い払いなわばりを守ります。8月になると繁殖も終わり、この年生まれの若鳥も親鳥も10月まで餌をたっぷりと食べて、体力をつけてから東南アジア方面へ去っていきます。


4月中旬に渡来する夏鳥、島全域に分布し繁殖例も多い、海岸近くの公園地から山地の林まで、広く生息する宮島の代表的夏鳥、樹洞や巣箱を利用して営巣する。

(厳島の野鳥を知る会 熊谷 美登/写真撮影 熊谷 美登)


この記事は1985年4月の広報みやじまに掲載されたものです