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オジロビタキ
 
(ヒタキ科)

オジロビタキ (ヒタキ科)

 宮島にも珍鳥が何かいますかと人によく聞かれ、返答に困ることが度々あります。珍しい鳥の基準をどこにおくかで区分が違ってくるからです。野鳥は翼を使って飛び渡りをするので、今日いても明日はいなくなるので返答に困るのです。北海道のタンチョウやクマゲラ、沖縄のノグチゲラや、今世紀最大の珍鳥となった新種のヤンバルクイナは、新聞やテレビで全国によく知られている珍鳥で、北海道や沖縄に行かなければ見られない固有種です。
 しかし宮島でも珍鳥を見ることは、まれにですがあります。私自身、何種か見ていますが、これは宮島での珍鳥で、日本全国でも比較的、個体数の少ない3種をあげれば、先の広報みやじまNo.315号で述べた、キツツキ科のアリスイ、ヒタキ科のオジロビタキとムギマキです。この3種中でも、オジロビタキは、日本中でも少なく、日本海側などで渡り途中まれに観察されるだけですが、みやじまには2年連続して渡来し、越冬までしています。初回は1981年1月19日から同年2月20日まで見られ、2回目は、1981年11月21日から翌年1月17日までの長期間見られました。
 この小鳥は、全長11.5cmと小さく、全体が灰褐色で下面は白く、雄の喉(のど)は赤橙色をしていて、尾羽の両面が白色で目立ちます。杉之浦や、包ヶ浦のように開けた林に渡来して、冬期でも地表面や低木で昆虫等を食べているので、餌不足で積雪のある1月後半から2月には生息できないようです。これら珍鳥もみやじまに渡来したことがあるだけで、もう一度見られるかどうかわかりません。

1981.1.19〜2.20まで、杉の浦シーサイドホテル前の広場で、メス型一羽が越冬した。1981.11.21〜1.17まで包ケ浦グランドでメス型一羽が越冬した2例がある。2例とも越冬なわばりを持って採餌していた。

                        (厳島の鳥を知る会 熊谷 美登/写真撮影 熊谷 美登)


この記事は1985年12月の広報みやじまに掲載されたものです